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JIS X 0143:2013
ソフトウェア技術―COSMIC機能規模測定手法 2013改正●2006制定

番号 用語 定義 対応英語
2.1 基本機能要素●BFC 利用者機能要件の基本単位。測定を目的としてFSM手法において定義され,利用される(JIS X 0135-1:2010の3.1参照)。
注記 COSMIC機能規模測定手法は,データ移動をBFCとして定義する。
Base Functional Component●BFC
2.2 基本機能要素型●BFC型 定義されたBFCの種類(JIS X 0135-1:2010の3.2参照)。 Base Functional Component type●BFC type
2.3 境界 測定対象ソフトウェアとその機能利用者との間の概念的なインタフェース。注記 COSMIC機能規模測定手法は,“機能利用者”という用語を使用しているが,この用語は,JIS X 0135-1:2010の3.3で規定する“利用者”という用語より狭義である。結果として,この規格は,“利用者”よりもむしろ“機能利用者”を使用する。 boundary
2.4 データ属性 識別されたデータグループ内でソフトウェアの利用者機能要件として意味をもつ情報の最小項目。 data attribute
2.5 データグループ●データグループ型 個別で,空でなく,順序がなく,冗長でないデータ属性の集合。そこに含まれる個々のデータ属性は,同一の注目オブジェクト型の補完的側面を記述している(2.19参照)。 data group●data group type
2.6 データ操作 機能プロセスの内側若しくは外側へのデータ移動,及び,機能プロセスと持続的記憶域との間で行われるデータの移動以外のデータの処理(★句点ぬけ?★) data manipulation
2.7 データ移動●データ移動型 一つのデータグループを移動する基本機能要素。
注記1 COSMIC機能規模測定手法には,エントリ,エグジット,読込み及び書込みの四つのデータ移動型がある。これら四つがCOSMIC機能規模測定手法のBFC型である。
注記2 測定という目的に照らして,各データ移動は関連するデータ操作までを占める,とみなす。
data movement●data movement type
2.8 エントリ●エントリ型 データグループを,機能利用者から境界を越えて,それを必要とする機能プロセスへ移動するデータ移動。注記 エントリは,エントリをするために必要なデータ操作(例えば,入力されたデータの妥当性確認)までを占める,とみなす。 Entry●Entry type
2.9 エグジット●エグジット型 データグループを,機能プロセスから境界を越えて,それを必要とする機能利用者に移動するデータ移動。注記 エグジットは,エグジットをするために必要なデータ操作(例えば,出力するデータに関連したフォーマッティング及びルーティング)までを占める,とみなす。 Exit●Exit type
2.10 機能プロセス●機能プロセス型 利用者機能要件の基本的要素であり,一意で,互いに密接に関連し,独立して実行可能なデータ移動の集合からなるもの。
注記1 機能プロセスは機能利用者がトリガ事象を識別したことをソフトウェアに通知するための機能利用者からのデータ移動(エントリ)によって起動される。トリガ事象に対応して実行されなければならないことの全てが完了したときに,機能プロセスが完了する。
注記2 事象が発生したことをソフトウェアに通知することに加えて(事象の発生のソフトウェアへの通知に加えて),事象によって起動されたエントリは,事象に関連した注目オブジェクトのデータをその中に情報としてもつことができる。
functional process●functional process type
2.11 機能規模測定●FSM 機能規模を測定するプロセス(JIS X 0135-1:2010の3.7参照)。 Functional Size Measurement●FSM
2.12 機能規模測定手法 JIS X 0135-1:2010の要求事項に適合したFSMの具体的な実現で,規則の集合によって定義されるもの(JIS X 0135-1:2010の3.4参照)。 Functional Size Measurement Method
2.13 機能利用者 ソフトウェアの利用者機能要件の中で,データの送信者及び/又は意図された受信者である利用者。 functional user
2.14 利用者機能要件●FUR 業務及びサービスの観点から,ソフトウェアが何をするかを記述する,利用者要件の部分集合。注記 利用者機能要件には次のものがあるが,これに限るものではない。
 − データ転送(例 顧客情報を入力する。制御信号を送信する。)
 − データ変換(例 銀行金利を計算する。平均温度を算出する。)
 − データ記憶(例 顧客の注文を記憶する。周辺温度を時系列で記録する。)
 − データ検索(例 在職中の従業員を一覧表示する。航空機の現在位置を取得する。)
利用者機能要件ではない利用者要件には,次のものがあるが,これに限るものではない。
 − 品質制約(例 使用性,信頼性,効率,移植性)
 − 組織制約(例 操作場所,稼働ハードウェア,規格の遵守)
 − 環境制約(例 相互運用性,セキュリティ,プライバシー,安全性)
 − 実装制約(例 開発言語,納入日程)
(JIS X 0135-1:2010の3.8参照)
Functional User Requirements●FUR
2.15 ソフトウェアシステムの機能的な分割から得られる区分で,次を満たすもの。
 − 層は階層を形成する。
 − 階層の各レベルには唯一の層が存在する。
 − ソフトウェアシステムにおける任意の二つの層において,その間で直接データを交換する場合,ソフトウェアによって提供される機能的サービスに基づく“上位及び/又は下位”の階層的存在関係がある。
 − ソフトウェアシステムにおける任意の二つの層においてデータを交換するソフトウェアは,そのデータの一部だけに対して同一の解釈を行う。
layer
2.16 測定手法 測定を遂行するときに使う一連の操作の論理的な順序を一般的に記述したもの。 measurement method
2.17 測定手順 与えられた方法に従ってある特定の測定を遂行するときに使う具体的に記述した操作の集合。 measurement procedure
2.18 測定プロセス プロジェクト全体又は組織における測定の仕組みの中でソフトウェアの測定を確立,計画,遂行及び評価するためのプロセス。注記 JIS X 0141:2009の定義2.24から適用。 measurement process
2.19 注目オブジェクト●注目オブジェクト型 ソフトウェアがデータの処理及び/又は格納する要求に関して,利用者機能要件の視点から識別された“もの”。
注記1 注目オブジェクトは,機能利用者の世界の中の,物理的なオブジェクトであることも,概念的なオブジェクトの全体又は一部であることもある。
注記2 この用語は,オブジェクト指向法で使用される意味でのオブジェクトを暗黙に示しているわけではない。同様に,エンティティという用語もデータモデリングで使用されているため回避する。
object of interest●object of interest type
2.20 実行環境●実行環境ソフトウェア 指定されたコンピュータシステム上で並行して実行するソフトウェアの集合。 operating environment●operating environment software
2.21 対等ソフトウェア 同一の層にあり,他のソフトウェアとデータ交換するソフトウェア。注記 対応国際規格を制定するに当たって導入された用語であるが,一般的な“ピアツーピア”通信方式とは直接関連がなく,この規格独特の定義である。ただし,この用語は,この規格では注記の中でしか使われていない。 peer software
2.22 持続的記憶域 機能プロセスが自分の寿命を超えてデータを格納することができる記憶域,及び/又は,他の機能プロセスが格納したか,同一プロセスの以前の実行によって格納されたか,若しくは他のプロセスで格納されたかのデータを読み取ることができる記憶域。
注記1 持続的記憶域は境界のソフトウェア側にあるので,被測定ソフトウェアの機能利用者とは考えない。
注記2 “他のプロセス”の例としては,読出し専用メモリの製造過程でデータを格納するプロセスがある。
persistent storage
2.23 読込み●読込み型 データグループを,持続的記憶域からそれを必要とする機能プロセスの内に移動するデータ移動。注記 読込みは,読込みをするために必要なデータ操作までを占める,とみなす。 Read●Read type
2.24 範囲●FSMの範囲 特定の機能規模測定に含まれる利用者機能要件の集合。 scope of FSM
2.25 トリガ事象●トリガ事象型 ソフトウェアの機能利用者が一つ以上の機能プロセスを起動する(“トリガする”)要因となる事象。注記 ある一組の利用者機能要件において,機能利用者が機能プロセスを起動する要因である各事象は,その一組のFURの中ではそれ以上再分割することはできない最小のものである。事象は,既に起こったものでも,起こっていないものでもどちらでもよい。 triggering event●triggering event type
2.26 測定単位 取決め又は慣習に従って定義し採用した特別の量で,同じ種類の他の量をそれと比較することによって,その量の相対的な大きさを表現するためのもの。注記 測定単位は,慣習的に名前及び記号が割り当てられている。(ISO Guide 99:1993) unit of measurement
2.27 利用者 ソフトウェアとやり取りをするか又は相互に影響しあう,人又はもの。注記 “もの”の例には,ソフトウェアアプリケーション,動物,センサ,その他のハードウェアなどがあるが,これに限るものではない。(JIS X 0135-1:2010の3.11参照) users
2.28 書込み●書込み型 機能プロセス内にあるデータグループを持続的記憶域に移動するデータ移動。注記 書込みは,書込みをするために必要なデータ操作までを占める,とみなす。 Write●Write type

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