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JIS Q 20000-1:2012
情報技術−サービスマネジメント−第1部:サービスマネジメントシステム要求事項 2012制定

番号 用語 定義 対応英語
3.1 可用性 あらかじめ合意された時点又は期間にわたって,要求された機能を実行するサービス又はサービスコンポーネントの能力。
注記 可用性は,通常,サービスが利用可能であるべきと合意された時間に対する,実際に顧客がサービス又はサービスコンポーネントを利用できる時間の割合又は百分率で表される。
availability
3.2 構成ベースライン サービス又はサービスコンポーネントの存続期間における特定の時点で,正式に指定された構成情報。
注記1 構成ベースラインに,このベースライン以降に承認された変更を加えたものが,最新の構成情報となる。
注記2 ISO/IEC IEEE 24765:2010から部分的に採用。
configuration baseline
3.3 構成品目●CI サービスの提供のために管理する必要がある要素。 configuration item
3.4 構成管理データベース●CMDB 構成品目のライフサイクルを通して,構成品目の属性及び構成品目間の関係を記録するために使用するデータ保管庫。 configuration management database
3.5 継続的改善 サービスの要求事項を満たす能力を高めるために繰り返し行われる活動。
注記 JIS Q 9000:2006から部分的に採用。
continual improvement
3.6 是正処置 検出された不適合又はその他の検出された望ましくない状況の原因を除去する,又はそれらの再発の可能性を低減するための処置。
注記 JIS Q 9000:2006から部分的に採用。
corrective action
3.7 顧客 サービスを受ける組織又は組織の一部。
注記1 顧客は,サービス提供者にとって組織の内部又は外部のいずれでもあり得る。
注記2 JIS Q 9000:2006から部分的に採用。
customer
3.8 文書 情報及びそれを保持する媒体。
[JIS Q 9000:2006]
例 方針文書,計画書,プロセス記述書,手順書,サービスレベル合意書,契約書又は記録。
注記1 文書は,いかなる形式又は種類の媒体でもよい。
注記2 この規格では,記録を除く文書には,達成すべきことを記載する。
document
3.9 有効性 計画した活動が実行され,計画した結果が達成された程度。
[JIS Q 9000:2006]
effectiveness
3.10 インシデント サービスに対する計画外の中断,サービスの品質の低下,又は顧客へのサービスにまだ影響していない事象。 incident
3.11 情報セキュリティ 情報の機密性,完全性及びアクセス性を維持すること。
注記1 さらに,真正性,責任追跡性,否認防止及び信頼性のような特性もまた含めてもよい。
注記2 この規格で定義されている“availability”という用語は,ここでの定義には適さないため用いていない。
注記3 対応国際規格の“accessibility”に対して“アクセス性”の訳語を当てたが,これはJIS Q 27001:2006の“information security”の定義に用いられている“availability”と同じ意味である。
注記4 ISO/IEC 27000:2009から部分的に採用。
information security
3.12 情報セキュリティインシデント 望ましくない単独若しくは一連の情報セキュリティ事象,又は予期しない単独若しくは一連の情報セキュリティ事象であって,事業運営を危うくする確率及び情報セキュリティを脅かす確率が高いもの。
[ISO/IEC 27000:2009]
information security incident
3.13 利害関係者 サービス提供者の活動のパフォーマンス又は成功に特定の利害関係をもつ人又はグループ。
例 顧客,所有者,経営者,サービス提供者の組織内の人々,供給者,銀行家,組合又はパートナ。
注記1 グループは,一つの組織,その一部又は複数の組織のこともある。
注記2 JIS Q 9000:2006から部分的に採用。
interested party
3.14 内部グループ サービスの設計,移行,提供及び改善に貢献するために,サービス提供者と合意文書を交わす,サービス提供者の組織の一部。
注記 内部グループは,サービス提供者のSMS適用の範囲外である。
internal group
3.15 既知の誤り 根本原因が特定されているか,若しくは回避策によってサービスへの影響を低減又は除去する方法がある問題。 known error
3.16 不適合 要求事項を満たしていないこと。
[JIS Q 9000:2006]
nonconformity
3.17 組織 責任,権限及び相互関係が取り決められている人々及び施設の集まり。
例 会社,法人,事業所,企業,団体,慈善団体,個人業者(sole trader),協会,若しくはこれらの一部又は組合せ。
注記1 この取決めは,一般に秩序立っている。
注記2 組織は,公的又は私的のいずれでもあり得る。
[JIS Q 9000:2006]
organization
3.18 予防処置 起こり得る不適合又はその他の起こり得る望ましくない状況の発生の原因を回避する若しくは除去する,又はそれらの発生の可能性を低減するための処置。
注記 JIS Q 9000:2006から部分的に採用。
preventive action
3.19 問題 一つ以上のインシデントの根本原因。
注記 問題の記録が作成された時点では,通常はその根本原因は不明であり,問題管理プロセスは更なる調査に対して責任をもつ。
problem
3.20 手順 活動又はプロセスを実行するために規定された方法。
[JIS Q 9000:2006]
注記 手順は文書にすることもあり,しないこともある。
procedure
3.21 プロセス インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。
[JIS Q 9000:2006]
process
3.22 記録 達成した結果を記述した,又は実施した活動の証拠を提供する文書。
[JIS Q 9000:2006]
例 監査報告書,インシデント報告書,教育・訓練の記録又は会議の議事録。
record
3.23 リリース 一つ以上の変更の結果として,稼働環境へ展開される,新規又は変更された構成品目の一つ以上の集合。 release
3.24 変更要求 サービス,サービスコンポーネント,又はサービスマネジメントシステムに対して行う変更についての提案。
注記 サービス変更には,新規サービスの提供又は不要となったサービスの廃止を含む。
request for change
3.25 リスク 目的に対する不確かさの影響。
注記1 影響とは,期待されていることから,好ましい方向及び/又は好ましくない方向にかい(乖)離することをいう。
注記2 目的は,例えば,財務,安全衛生,環境に関する到達目標など,異なった側面があり,戦略,組織全体,プロジェクト,製品,プロセスなど,異なったレベルで設定されることがある。
注記3 リスクは,起こり得る事象,結果又はこれらの組合せについて述べることによって,その特徴を記述することが多い。
注記4 リスクは,ある事象(周辺状況の変化を含む。)の結果とその発生の起こりやすさとの組合せとして表現されることが多い。
[JIS Q 31000:2010]
risk
3.26 サービス 顧客が達成することを望む成果を促進することによって,顧客に価値を提供する手段。
注記1 サービスは,一般的に無形である。
注記2 サービスは,供給者,内部グループ,又は供給者として活動する顧客によって,サービス提供者にも提供され得る。
service
3.27 サービスコンポーネント サービスの一つの単位であり,他の単位と組み合わされることで完結したサービスを提供する。
例 ハードウェア,ソフトウェア,ツール,アプリケーション,文書,情報,プロセス又は支援サービス。
注記 サービスコンポーネントは,一つ以上の構成品目で構成し得る。
service component
3.28 サービス継続 合意したレベルでサービスを継続的に提供するために,サービスに深刻な影響を及ぼす可能性のあるリスク及び事象を管理する能力。 service continuity
3.29 サービスレベル合意書●SLA サービス及びサービス目標を特定した,サービス提供者と顧客との間の合意文書。
注記1 サービスレベル合意書は,サービス提供者と,供給者,供給者として活動する内部グループ又は顧客との間でも締結することができる。
注記2 サービスレベル合意書は,契約書又は他の種類の合意文書に含めることができる。
service level agreement
3.30 サービスマネジメント サービスの要求事項を満たし,サービスの設計,移行,提供及び改善のために,サービス提供者の活動及び資源を,指揮し,管理する,一連の能力及びプロセス。 service management
3.31 サービスマネジメントシステム●SMS サービス提供者のサービスマネジメントの活動を指揮し,管理するためのマネジメントシステム。
注記1 マネジメントシステムは,方針及び目的を定め,その目的を達成するための,相互に関連する又は相互に作用する要素の集まりである。
注記2 SMSには,サービスの設計,移行,提供及び改善のため,並びにこの規格の要求事項を満たすために必要な,全てのサービスマネジメントの方針,目的,計画,プロセス,文書,及び資源を含む。
注記3 JIS Q 9000:2006の“品質マネジメントシステム”の定義から部分的に採用。
service management system
3.32 サービス提供者 顧客へのサービスを管理及び提供する組織,又は組織の一部。
注記 顧客は,サービス提供者にとって組織の内部又は外部のいずれでもあり得る。
service provider
3.33 サービス要求 情報,助言,サービスへのアクセス,又は事前に承認されている変更に対する要求。 service request
3.34 サービスの要求事項 サービスレベルの要求事項を含む,顧客及びサービスの利用者のニーズ,並びにサービス提供者のニーズ。 service requirement
3.35 供給者 サービス又はプロセスの設計,移行,提供及び改善に貢献するために,サービス提供者と契約を結ぶ,サービス提供者の組織の外部組織,又は組織の一部。
注記 供給者には,指定された統括供給者を含むが,その供給者の再請負契約先供給者は含まない。
supplier
3.36 トップマネジメント 最高位でサービス提供者を指揮し,管理する個人又はグループ。
注記 JIS Q 9000:2006から部分的に採用。
top management
3.37 移行 新規サービス又はサービス変更の,稼働環境への移動又は稼働環境からの移動に関わる活動。 transition

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