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JIS X 0004:1989
情報処理用語(データの構成) 1989制定

番号 用語 定義 対応英語
04.01.01 文字 データを表現,構成又は制御するために用いる要素の集合(文字集合)の構成単位。備考 文字は次のように分類される。(#図あり) character
04.01.02 文字集合 所定の目的を満たす,相異なる文字の完結した有限集合。例:JIS X 0201(情報交換用符号)における文字集合。 character set
04.01.03a 欧字集合 欧字を必ず含み,制御文字,特殊文字も含むが,漢字,仮名,数字は含まない文字集合。 alphabetic character set
04.01.03b 英字集合 英字を必ず含み,制御文字,特殊文字も含むが,漢字,仮名,数字は含まない文字集合。 alphabetic character set
04.01.04 数字集合 数字を必ず含み,制御文字,特殊文字も含むが,欧字,漢字,仮名は含まない文字集合。 numeric character set
04.01.05a 欧数字集合 欧字と数字の両方を必ず含み,制御文字,特殊文字も含む文字集合。 alphanumeric character set
04.01.05b 英数字集合 英字と数字の両方を必ず含み,制御文字,特殊文字も含む文字集合。 alphanumeric character set
04.01.06 2進文字集合 二つの文字からなる文字集合。 binary character set
04.02.01 コード●コード体系●符号●符号体系 第1の集合の要素を第2の集合の要素に対応付けさせる規則の集まり。備考1.要素は,通常,文字又は文字列である。2.第1の集合はコード化集合であり,第2の集合はコード要素集合である。3.コード要素集合の要素は,コード化集合の二つ以上の要素と関係づけられてもよいが,その逆は許されない。 code●coding scheme
04.02.02 コード化集合 コードに従って,他の要素の集合に対応付けられている要素の集合。例:3文字からなる省略語の集合に対応付けられている空港名の表。 coded set
04.02.03 コード化文字集合 各要素が,単一文字からなるコード化集合。例:7ビット2進数字列の集合に対応付けられるアルファベットの文字。 coded character set●code(この意味では使用しないほうがよい)
04.02.04 コード要素●コード値●コード化表現 コード化集合の一つの要素にコードを適用した結果。例1:空港名を表す3文字のコードにおいて,パリのCharles-De-Gaulleを表す“CDG”。例2:JIS X 0211(表示装置に対する情報交換用制御文字符号)において,削除文字を表す7個の2進数字。 code element●code value●coded representation●code(この意味では使用しないほうがよい)●data code(この意味では使用しないほうがよい)
04.02.05 コード集合●コード要素集合 コード化集合の全要素にコードを適用した結果。例:空港名を表す3文字の国際識別(コード)の全部。 code element set●code set●code(この意味では使用しないほうがよい)●data code set(この意味では使用しないほうがよい)
04.02.06a 欧字コード 欧字の文字集合に適用した結果としてコード要素集合を作るコード。 alphabetic code
04.02.06b 英字コード 英字の文字集合に適用した結果としてコード要素集合を作るコード。 alphabetic code
04.02.06c 数字コード 数字の文字集合に適用した結果としてコード要素集合を作るコード。 numeric code
04.02.06d 欧数字コード 欧数字の文字集合に適用した結果としてコード要素集合を作るコード。 alphanumeric code
04.02.06e 英数字コード 英数字の文字集合に適用した結果としてコード要素集合を作るコード。 alphanumeric code
04.02.06f 2進コード 2進の文字集合に適用した結果としてコード要素集合を作るコード。 binary code
04.02.06g 漢字コード 漢字の文字集合に適用した結果としてコード要素集合を作るコード。 kanji code
04.02.07a 欧字コード化集合 欧字の文字集合の要素からなるコード化集合。 alphabetic code set
04.02.07b 英字コード化集合 英字の文字集合の要素からなるコード化集合。 alphabetic code set
04.02.07c 数字コード化集合 数字の文字集合の要素からなるコード化集合。 numeric code set
04.02.07d 欧数字コード化集合 欧数字の文字集合の要素からなるコード化集合。 alphanumeric code set
04.02.07e 英数字コード化集合 英数字の文字集合の要素からなるコード化集合。 alphanumeric code set
04.02.07f 2進コード化集合 2進の文字集合の要素からなるコード化集合。 binary code set
04.02.07g 漢字コード化集合 漢字の文字集合の要素からなるコード化集合。 kanji code set
04.03.01 図形文字 制御文字以外の文字であって,通常,手書き,印字,表示によって生成される視覚表現をもつもの。 graphic character
04.03.02 欧字 欧文に使われる図形文字であって,単独で又は他の図形文字と組み合わせて用いたときに,本来話言葉の発音要素を表すもの。備考 区別的発音符そのものや句読点は,欧字ではない。 letter
04.03.03 アルファベット 欧文に使われる順序付けられた文字集合であって,その順序に対し合意が得られているもの。備考 この定義には,区別的発音符つきの欧字を含む欧字によって表される文字からなる自然言語のアルファベットも含まれる。 alphabet
04.03.04 表意文字 自然言語において,対象物又は概念と,それに対応した発音要素を表す図形文字。例:中国の表意文字,又は日本の漢字。 ideogram●ideographic charcter
04.03.05 数字 負でない整数を表す文字。例:16進記数法における0から9及びAからFの文字の一つ。 digit●numeric character
04.03.06 10進数字 10進記数法で用いられる数字。例:アラビア数字の0から9までのうちの一つ。 decimal digit
04.03.07 2進数字●ビット 2進記数法で用いられる数字。例:純2進記数法では,0か1のどちらか。 bit●binary digit
04.03.08 2進文字 2進文字集合のどちらかの文字。例:T(真)又はF(偽),Y(肯定)又はN(否定)。 binary character
04.03.09 空白●空白文字 図形文字列において空いている位置を表す文字。例:一部のプログラム言語で使われている。備考 空白文字と間隔文字とは異なる(04.04.03参照)。 blank●blank character
04.03.10 特殊文字 欧字,数字,仮名又は空白でなく,また通常,表意文字でもない図形文字。例:句読点,通貨記号,パーセント記号,算術記号。 special character
04.03.11 英字●ローマ字 A,B,…,Z及びa,b,…,zの52個の図形文字。 Roman letter
04.03.12 仮名 日本語の文章を書き表すときに用いられる表音文字であって,片仮名と平仮名の2種類がある。 kana
04.03.13 漢字 日本語の文章を書き表すときに用いられる表意文字。 kanji
04.03.14 8進数字 8進記数法で用いられる数字。例:アラビア数字の0から7までのうちの一つ。 octal digit
04.03.15 16進数字 16進記数法で用いられる数字。例:0から9までの数字及びA,B,C,D,E,Fの文字のうちの一つ。 hexadecimal digit●sexadecimal digit
04.04.01 制御文字 特定の文脈中にあって,制御機能を指定する文字。備考1.制御文字は後の動作で使用するために記録されることもある。2.制御文字は図形文字ではないが,場合によっては図形を用いて表現することがある。3.制御文字は,JIS X 0201,JIS X 0211などに規定されている。 control character
04.04.02 伝送制御文字 データ端末装置間でのデータの伝送を制御し,又は容易にするために使われる制御文字。備考 伝送制御文字は,JIS X 0201などに規定されている。 transmission control character
04.04.03 間隔●間隔文字 印字位置又は表示位置を,図形文字を作成しないで行に沿って1けた進める文字。備考 間隔文字は,JIS X 0201,JIS X 0202(情報用交換符号の拡張法)などに規定されている。 space character
04.04.04 書式制御文字 印字,表示又は記録されるデータの位置を決めるために使われる制御文字。備考 書式制御文字は,JIS X 0201,JIS X 0211などに規定されている。 format effector●layout character(英国だけ)
04.04.05 コード拡張文字 次に続く一つ以上のコード要素を異なるコードに従って解釈することを指示するために使われる制御文字。備考 コード拡張文字は,JIS X 0201,JIS X 0202などに規定されている。 code extension character
04.04.06 装置制御文字 計算機システムに用いられている周辺装置に対する制御機能を指定するために使われる制御文字。備考 装置制御文字は,JIS X 0201,JIS X 0211などに規定されている。 device control character
04.05.01 全体として見たとき同じ性質をもつ要素の並び。例えば,文字の並び。 string
04.05.02a 記号列 記号だけからなる列。 symbol string
04.05.02b 文字列 文字だけからなる列。 character string
04.05.02c 欧字列 1つのアルファベットに含まれる欧字だけからなる列。 alphabetic string
04.05.02d 2進数字列 2進数字だけからなる列。 binary digit string
04.05.03 空列 要素を全くもたない列。 null string
04.05.04 単位列 ただ一つの要素をもつ列。 unit string
04.05.05 位置 列中の任意の場所であって,一つの要素が占めることができ,通し番号で識別されるもの。 position
04.05.06 nビットバイト nビットからなる列。 n-bit byte
04.05.07 バイト 8ビットからなる列。 byte●octet●8-bit byte
04.06.01 何らかの目的から一単位とみなされる文字列。 word
04.06.02 アルファベットの語 一つのアルファベットに含まれる欧字だけからなる語。 alphabetic word
04.06.03 数値語●数値の語 数字を必ず含み,間隔文字及び特殊文字も含むことがある語。例:国際10進分類法においては,英語の医学百科事典を識別するために数値の語61(03)=20が使われている。 numeric word
04.06.04 機械語●機械の語●計算機の語 特定の計算機による処理に適し,通常1単位として扱われる語。 machine word●computer word
04.06.05 語長 1語の文字数。 word size●word length
04.07.01 データ要素 特定の文脈中で,不可分とみなされる1単位のデータ。例:3けたの10進数字の組合せからなる値をもつデータ要素“人の年齢”。 data element
04.07.02 欄●フィールド データ媒体上又は記憶装置中で,特定の種類のデータ要素に使用される指定領域。例:画面上で賃金率の入力又は表示に使われる一連の文字位置。 field
04.07.03 レコード 1単位として取り扱われるデータ要素の集合。 record
04.07.04 論理レコード 論理的な観点から一つのレコードであると考えられる,関連したデータ要素の集合。 logical record
04.07.05 物理レコード データ媒体上又は記憶装置中の物理的位置に関連して考えたレコード。 physical record
04.07.06 レコード長 1レコード中のバイト数(又は他の適当な単位の数)。 record length●record size
04.07.07 ブロック 単位として記録又は伝送される一連の要素。備考 この要素は,文字,語又はレコードであってよい。 block
04.07.08 ブロック長 1ブロック中のバイト数(又は他の適当な単位の個数)。 block size●block length
04.07.09 ブロック化因数 1ブロックに含まれるレコード数。 blocking factor
04.07.10 ファイル 1単位として格納又は処理され,名前を持つレコードの集合。 file
04.07.11 ファイルの更新 ファイル中のデータの追加,削除又は変更の作業。 file updating
04.07.12 ファイルの保守 ファイルの更新又は再編成の作業。 file maintenance
04.07.13 表●テーブル データの配列であって,その項目が引き数又はかぎによって識別できるもの。 table
04.07.14 データバンク 特定の事柄について,利用者が参照できるように構成されたデータの集合。 data bank
04.07.15 データベース 複数の独立した利用者に対して,要求に応じてデータを受け入れ,格納し,供給するためのデータ構造。 database
04.07.16 項目●データ項目 データの集合の要素。例:ファイルはレコードのような幾つかの項目からなり,更にそのレコードは他の項目からなっている。備考 情報処理の目的で,1単位として取り扱われる一連の文字又は語の集合をいうこともある。 item●data item
04.07.17 ボリューム ファイルなどを収容し,通常,取付け取外しのできるデータ媒体の管理上の単位。備考 一つのボリューム上に複数のファイルを収容することもあれば,複数のボリュームにわたって一つのファイルを収容することもある。 volume
04.08.01 リスト●並び データ要素の順序付けられた集合。 list
04.08.02 連鎖リスト●連結リスト リストの一種であって,データ要素は記憶装置中に分散していてもよいが,各データ要素が後続するデータ要素の位置に関する情報を含むもの。 chained list●linked list
04.08.03 対称リスト 各データ要素が先行するデータ要素の位置に関する情報も含む連鎖リスト。 symmetrical list
04.08.04 線形リスト データ要素の線形な順序集合であって,記憶装置中で記憶位置を順次割り当てることによって,その順序が保たれているもの。 linear list
04.08.05 後入れ先出しリスト●スタック 最後に格納されたデータ要素が最初に読み出されるように構成され維持されているリスト。備考 この方法は,“last in,first out”(LIFO)の特性をもつ。 pushdown list●stack●pushdown stack
04.08.06 待ち行列●先入れ先出しリスト 最初に格納されたデータ要素が最初に読み出されるように構成され維持されているリスト。備考 この方法は“first in,first out”(FIFO)の特性をもつ。 queue●pushup list
04.08.07 リスト処理 リスト形式のデータを処理する方法。備考 データ要素の物理的位置を変えないで,その順序を変更できるように,通常,連鎖リストが使われる。 list processing
04.09.01 区切り記号 文字列の初め又は終わりを示すために使われる一つ以上の文字。 delimiter
04.09.02 識別子 データ要素を識別し又は名付け,必要に応じてデータ要素の性質を示すために使用される一つ以上の文字。 identifier
04.09.03 ラベル データ要素の集合に含まれるか,又は集合に付加される識別子 label
04.09.04 かぎ●キー データ要素の集合に含まれる識別子。 key
04.09.05 ポインタ 他のデータ要素の位置を示すデータ要素。 pointer

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