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JIS X 0008:1987R
情報処理用語(規制,完全性及び安全保護) 1987制定

番号 用語 定義 対応英語
08.01.01 障害許容力●計算機システムの障害許容力●フォールトトレランス●計算機システムのフォールトトレランス 計算機システムが,構成要素の誤動作にもかかわらず,正しく動作し続ける能力。 fault tolerance●computer system fault tolerance●resilience●computer system resilience
08.01.02 フェールソフト●機能縮退 計算機システムが,その障害許容力によって機能し続けることに関する用語。 failsoft
08.01.03 データの品質 データを使用に適するようにしている正しさ,適時さ,正確さ,完全さ,適切さ及び参照可能性。 data quality
08.01.04 データの完全性●データの保全性 偶然又は悪意によるデータの破壊,変更又は喪失が生じない限り保たれているデータの品質。 data integrity
08.01.05 検査●データ検査 データの品質又はデータの完全性を確認するための操作。 check●data check
08.01.06 試験 受け入れられるかどうかを決めるために,機能単位を動かして得られた結果と事前に規定された結果とを比較すること。例:装置試験又はプログラム試験。 test
08.01.07 ベンチマーク●ベンチマーク試験●基準試験 与えられた機器構成における計算機のハードウェア及びソフトウェアの性能を評価する試験であって,そのために設計されたプログラム及びデータの代表的な集合を用いて行う。 benchmark●benchmark test
08.01.08 受入れ試験 契約上の要求事項が満足されていることを確認するために,設置後購入者の構内において,納入者も参加して購入者によって通常実施されるシステム又は機能単位の試験。 acceptance test
08.01.09 復元●データの復元 以前に知られていた状態,又は以前に指定されていた状態にデータを戻すこと。 reconstruction●reconstruction of data●reconstitution●reconstitution of data
08.01.10 所定期間保存●アーカイビング 通常,所定の期間,バックアップファイル及び関連のジャーナルを記憶しておくこと。 archiving
08.01.11 事前記録媒体●事前記録データ媒体 前もって定められたデータの項目が存在しているデータ媒体であって,残りのデータの項目は,その後の操作によって入力されるもの。 prerecorded medium●prerecorded data medium
08.01.12 外部ラベル データ媒体の入れ物に付けられ,通常機械が読み取ることのできないラベル。例:磁気記憶媒体の外側にはられた紙のステッカ。 external label
08.01.13 内部ラベル データ媒体上に記録された,機械が読み取ることのできるラベルであって,その媒体上に記録されたデータに関する情報を与えるもの。 internal label
08.01.14 ボリューム始めラベル●ボリュームラベル●ボリューム見出しラベル ボリュームを識別し,そのデータの始まりを示す内部ラベル。 beginning-of-volume label●volume label●volume header label●volume header
08.01.15 ボリューム終わりラベル●EOV(省略形) ボリュームに含まれるデータの終わりを示す内部ラベル。 end-of-volume label●EOV <abbreviation>
08.01.16 ファイル始めラベル●見出しラベル●ファイル見出しラベル●HDR(省略形) ファイルを識別し,その場所を指定し,ファイル制御に用いるデータを含む内部ラベル。 beginning-of-file label●HDR <abbreviation>●header label
08.01.17 ファイル終わりラベル●後書きラベル●EOF(省略形) ファイルの終わりを示す内部ラベルであって,ファイル制御に用いるデータを含むことがある。注 ファイル終わりラベルは,処理中に累計された合計と比較するための照査合計(★「検査合計」ではないか?★)を含むことがある。 end-of-file label●trailer label●EOF <abbreviation>
08.02.01 計算機システム監査 計算機システムで用いられる手続きの有効性と正しさを評価し,その改良を勧告するための吟味。 computer-system audit
08.02.02 誤り制御ソフトウェア 計算機システムが,誤りを検出し,記録し,場合によっては訂正するために監視するソフトウェア。 error control software
08.02.03 監査検討ファイル 監査用にデータを提供する明確な目的のためのプログラムを実行して作成されるファイル。 audit-review file
08.02.04 監査証跡 レコードの内容に影響を与えたトランザクションを追跡するために用いるデータであって,事象を列につないだ論理経路の形式をしたもの。 audit trail
08.02.05 障害追跡 モニタによって障害発生までの状態を連続的に反映した障害の記録。 fault trace
08.02.06 障害しきい値 特定の種類の障害件数について指定された限界であって,もし件数がこれを超えたときは,適切な処置を必要とするもの。注 この種の処置は,操作員への通報,診断プログラムの実行又は障害の発生した装置を切り離すための再構成などを含むことがある。 fault threshold
08.02.07 障害率しきい値 定められた時間当たりの障害件数で示した障害しきい値。 fault-rate threshold
08.03.01 総括票●バッチ見出し文書 一括された入力文書のバッチに添付し,これを識別する文書であって,入力文書の内容を検証するために使用することがある。例:バランス,照査合計,ハッシュ合計又は検査合計を含む文書。 batch-header document
08.03.02 妥当性検証●データ妥当性検証 データが不正確,不完全又は不合理でないかどうかを確かめるために使用される処理。注 妥当性検証には,書式検査,欠落検査,検査キー試験,合理性検査及び限度検査を含む。 validation●data validation
08.03.03 データ確認 伝送されたデータ,特にメッセージの完全性を検証するために使用される処理。注 利用者の認証(user authentication)と混同しないこと。 authentication●data authentication
08.03.04 打けん<鍵>検証●キー入力検証 けん<鍵>盤から同じデータを再入力することによって,データ入力の正確さを検証すること。 keystroke verification
08.03.05 検査合計 データの中のある集まりの和であって,検査の目的に使われるもの。注 このデータは,数表示であってもよいし,検査合計の計算目的に対して,数表示とみなされたその他の文字列であってもよい。 checksum
08.03.06 ハッシュ合計 検査を目的として,異質のデータの集合に対してアルゴリズムを適用することによって得られる結果。例:データの項目を数値として取り扱って得られる合計。 hash total
08.03.07 合計検査 データの完全性を検証するために,同じデータに対して異なる機会に計算した又はそのデータの異なる表示に対して計算した検査合計の比較。 summation check●sumcheck
08.03.08 順番検査 項目が,あるあらかじめ定められた基準に従って順番付けられているかどうかを確かめる検査。 sequence check
08.03.09 書式検査 データが,指定された様式に適合しているかどうかを確かめる検査。 format check
08.03.10 欠落検査 必要な項目にデータが欠落していないかどうかを確かめる検査。 completeness check
08.03.11 合理性検査 値が指定された基準に従っているかどうかを確かめる検査。 reasonableness check
08.03.12 限度検査 量がある指定された限度値より上であるか,下であるか又は限度値に達しているかどうかを確かめる検査。 limit check
08.03.13 範囲検査 二つの限度検査の組合せであって,一方は上限値,他方は下限値に対して適用するもの。備考 ある値が上限値から下限値までの範囲内にあることを確かめる検査。 range check
08.03.14 あふれ検査 データの表現が,指定されたデータ長を超えているかどうかを確かめる限度検査。 overflow check
08.03.15 交差合計検査●クロスフッティング 各列ごとの和を集計した合計と,各行ごとの和を集計した合計とを比較して,一致することを確かめる検査。 crossfooting
08.04.01 異常終了●アベンド(省略形) 処理の予定外の停止。 abnormal termination●abnormal end●abend <abbreviation>
08.04.02 検査問題 機能単位が正しく動作しているかどうかを確かめるために使う,答の分かっている問題。 check problem
08.04.03 試験データ 検査問題に使うデータ。 test data
08.04.04 返送照合●エコーチェック データが正しく転送されたかどうかを確かめる検査であって,受け取ったデータを送出側に返送して元の送り出されたデータと比較すること。 echo check
08.04.05 期限切れ検査●保存期間検査 所定の日付を満了日付と比較すること。例:レコード又はファイルの期限切れ検査。 expiration check●retention period check
08.04.06 冗長検査 誤りの検出のためにデータに付加された1個ないし数個の余分の数字又は文字を利用して行う検査。 redundancy check
08.04.07 巡回冗長検査●CRC(省略形) 巡回的なアルゴリズムによって余分の数字又は文字を生成して行う冗長検査。 cyclic redundancy check●CRC <abbreviation>
08.04.08 奇偶検査ビット●パリティビット 2進数字の集まりに付加する1個の2進数字であって,この2進数字も含めてすべての2進数字の和が,あらかじめ定めておいたとおりに,奇数又は偶数になるようにするもの。 parity bit
08.04.09 奇偶検査●パリティ検査 奇偶検査ビットを算出して,それをあらかじめ定められた奇偶検査ビットと比較する冗長検査。 parity check
08.04.10 行方向奇偶検査 2進数字の集合が行列の形になっているときに,2進数字の行に対して行う奇偶検査。例:磁気テープの1ブロック中にあるトラック上のビット並びに対する奇偶検査。 longitudinal parity check
08.04.11 列方向奇偶検査 2進数字の集合が行列の形になっているときに,2進数字の列に対して行う奇偶検査。例:テープにおける列方向のビット並びに対する奇偶検査。 transverse parity check
08.04.12 モジュロN検査●剰余検査 ある数値を数値Nで割ったときの剰余と前もって計算しておいた剰余とを比較する検査。 modulo N check●residue check
08.04.13 検査キー データの項目から導き出され,その項目に付加される1個以上の文字であって,データの項目中の誤りを検出するために用いることができるもの。 check key
08.04.14a 検査数字 1個の数字から成る検査キー。 check digit
08.04.14b 検査文字 1個の文字から成る検査キー。 check character
08.04.15 キー照合 処理の特定の段階において,あるレコードを選択し,その他のレコードを拒否するために,二つ以上のレコードのキーを比較する技法。 key matching
08.05.01 打ち切る 計算機システムにおける処理の動作を,その動作の続行が不可能であるか又は望ましくないために,制御された形態をとって終了させること。 (to) abort
08.05.02 誤り回復 計算機システムを所定の状態に復帰させるために,障害の影響を正しくし又は回避する処理。 error recovery
08.05.03 誤り検出符号●自己検査符号 個々の符号化表現が特定の生成規則に従い,それに違反することが誤りの存在を示すような符号。 error-detecting code●self-checking code
08.05.04 誤り訂正符号 ある種の誤りを自動訂正できるように設計された誤り検出符号。 error-correcting code
08.05.05 回復不能誤り 計算機プログラムにとって外部の回復手段を使用することなしには回復が不可能な誤り。 unrecoverable error
08.05.06 致命的誤り 実行を続けてもそれが無意味な結果を作り出すような誤り。 fatal error
08.05.07 偶発時用手続き 異常ではあるが予想された状況が生じた場合に,処理の通常の過程に代わり実行される手続き。注 偶発時用手続きは,あふれや操作員の介入などのような事象によって開始されることがある。 contingency procedure
08.05.08 ジャーナル●ログ データ処理操作の時間順の記録。注 ジャーナルは,ファイルの以前の版や更新された版を復元するために利用されることがある。 journal●log
08.05.09 バックアップファイル●ジョブ回復制御ファイル 後に起こるかもしれないファイルの復元のために作っておくファイルの写し。 backup file●job-recovery control file
08.05.10 所定期間保存ファイル●アーカイブファイル 安全その他あらゆる目的で,後に調査又は検証するために,ファイル群から取りのけて保存しておくファイル。 archive file
08.05.11 所定期間保存対象ファイル●アーカイブ対象ファイル 所定期間保存ファイルによって復元されるべきファイル。 archived file
08.05.12 後退回復●後退ファイル回復 ファイルの新しい版とジャーナルに記録されたデータとを使用して,古い版のファイルを復元すること。 backward recovery●backward file recovery
08.05.13 前進回復 ファイルの古い版を,ジャーナルに記録されたデータによって更新し,ファイルのより新しい版を復元すること。 forward recovery
08.05.14 ファイルクリーンアップ●ファイル掃除 余計なデータや古くなったデータをファイルから取り除くこと。 file clean-up
08.06.01 データ処理システムの安全保護●計算機システムの安全保護 偶然又は悪意による変更,破壊又は漏えいから,ハードウェア,ソフトウェア及びデータを保護するために,データ処理システムに確立され適用される技術的及び管理的な安全対策。 data processing system security●computer system security
08.06.02 データの汚染 データの完全性の侵害。 data corruption●data contamination
08.06.03 プライバシ保護 データの記録の安全と機密を確保し,かつ情報が維持されている対象個人に事実上の害,困惑,不便又は不公正を与えることになり得るあらゆる脅威や危険に対して,安全と機密の両方を守るための適切な管理的,技術的及び物理的な安全対策の実現。 privacy protection
08.06.04 データ保護 手続きやデータを,権限なしの照会や使用から保護するための適切な管理的,技術的又は物理的な安全対策の実現。 data protection
08.06.05 合言葉 システム又はデータの集合を全面的に又は限定して参照することを利用者に許す文字列。 password
08.06.06 参照権●アクセス権 あるデータ又はプログラムを参照し,それを特定の形態で利用することを利用者に認めた権利。例:ファイルを読む権利,ファイルに書く権利,ファイルをボリューム上に置く権利。 access right
08.06.07 参照許可●アクセス許可 あるデータ又はプログラムに関して利用者がもつ参照権の集合。 access permission

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