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JIS X 0010:1987
情報処理用語(操作技法及び機能) 1987制定

番号 用語 定義 対応英語
10.02.01 ジョブ 利用者によって定義され,計算機によって実施される仕事の単位。(注)用語“ジョブ”は,しばしば“ジョブの表現”を厳密でなく指すのにも用いられる。ジョブの表現は,計算機プログラム,ファイル,オペレーティングシステム制御文などの集合から成る。 job
10.05.05 動的割振り●動的資源割振り 計算機プログラムの実行のために割り当てられる資源が,必要時に適用される基準によって決定される割振り技法の一つ。 dynamic allocation●dynamic resource allocation
10.02.07 プログラムの走行●走行 一つ以上の計算機プログラムの遂行。 run●program run
10.01.01 機能単位 ハードウェア,ソフトウェア又はその両者から成るものであって,指定された目的を遂行しうるもの。 functional unit
10.01.02 処理装置●プロセッサ 計算機において,命令を解読し,実行する機能単位。 processor
10.01.03 処理(データ処理システムにおける) 意図する目的又は効果に応じて発生する事象の過程。 process (in a data processing system)
10.01.04 処理する(データを) 処理において,データに演算を施すこと。 to process (data)
10.01.05 実行 計算機によって,一つの命令又は計算機プログラム中の複数の命令を遂行する処理。 execution
10.01.06 実行する 命令又は計算機プログラムの実行を遂行すること。 to execute
10.01.07 資源割振り ジョブの実施のための,計算機システムの設備の割当て。(例)主記憶装置,入出力装置,ファイルの割当て。 resource allocation
10.01.08 同期●同期的 共通のタイミング信号のような特定の事象の発生に依存した二つ以上の処理に関する用語。 synchronous
10.01.09 割込み 計算機プログラムの実行のような処理の中断であって,その処理に対する外部からの事象に起因し,後でその処理が再開できるような方法で遂行されるもの。 interrupt●interruption
10.01.10 交互配置する●インタリーブする 事物又は事象の列の部分と別の同質のものの列の部分とを,各々の列の同一性を保ちつつ,交互に配置すること。 to interleave
10.01.11 結び付ける(アドレスについて) 絶対アドレス,仮想アドレス又は装置識別子を,計算機プログラム中の記号アドレス又は標に関連づけること。(注)この概念は,07.05.02“設定する(変数について)”の特別な場合である。 to bind (of an address)
10.01.12 応答時間 計算機システムに対する問合せ又は要求の終わりから応答の始まりまでの経過時間。(例)問合せの終わりを指示してから,利用者端末に応答の最初の文字が表示されるまでの時間の長さ。 response time
10.01.13 ターンアラウンドタイム ジョブを提出してから,完全な出力が返送されるまでの経過時間。 turnaround time●turnround time
10.01.14 処理能力●スループット 与えられた時間内に計算機システムによって遂行される仕事の量の測度。(例)1日当たりのジョブの個数。 throughput
10.02.02 タスク 多重プログラミング又は多重プロセッシングの環境において,計算機によって実施されるべき仕事の要素として制御プログラムによって取り扱われる命令の一つ以上の列。 task
10.02.03 ディスパッチする 実行の準備ができているジョブ又はタスクに対して処理装置上の時間を割り振ること。 to dispatch
10.02.04 ディスパッチャ オペレーティングシステムにおける計算機プログラム又はその他の機能単位であって,その目的がディスパッチすることであるもの。 dispatcher
10.02.05 スケジュールする ディスパッチされるべきジョブ又はタスクを選択すること。(注)一部のオペレーティングシステムにおいては,上記以外に入出力操作のような仕事の単位もスケジュールされうる。 to schedule
10.02.06 ジョブの走行●走行 一つ以上のジョブの遂行。 job run●run
10.02.08 ジョブの流れ●走行の流れ●入力の流れ 遂行されるべき幾つかのジョブのすべて又はその部分を表現したものの列であって,オペレーティングシステムに渡されるもの。 job stream●run stream●input stream
10.02.09 指令言語●制御言語 適切な構文をもった手順演算子の集合であって,オペレーティングシステムによって遂行されるべき機能を指示するために用いられるもの。 command language●control language
10.02.10 目的モジュール アセンブラ又はコンパイラの出力であり,かつ連係編集プログラムの入力になりうる計算機プログラムの単位。 object module
10.02.11 ロードモジュール 実行のために主記憶装置内へロードしうる計算機プログラムの単位であって,通常,連係編集プログラムの出力である。 load module
10.02.12 連係編集プログラム●リンカ 目的モジュール間の相互参照を解決し,可能ならば構成要素を再配置することによって,一つ以上の別々に翻訳された目的モジュール又はロードモジュールから,一つのロードモジュールを作成するために用いられる計算機プログラム。 linkage editor●linker
10.02.13 記憶イメージ 主記憶装置中に依存するときのあるがままを示すような,計算機プログラム及び関連するデータの表現。 storage image●core image
10.02.14 制御域 制御情報を保持するために計算機プログラムによって用いられる記憶域。 control area
10.02.15 制御プログラム 一つの計算機プログラムであって,計算機システムにおいて計算機プログラムの実行をスケジュールし,監視するように設計されたもの。 control program
10.02.16 常駐 特定の記憶装置上に,常時保持される計算機プログラムに関する用語。 resident
10.02.17 中核●常駐制御プログラム 制御プログラムの,主記憶装置中に常駐する部分。 nucleus●resident control program
10.02.18 システム生成●SYSGEN オペレーティングシステムの任意選択部分を選択し,データ処理施設の要件に適するような特定のオペレーティングシステムを作成する処理。*(注)sysgenは頭字語。 system generation●sysgen (acronym)
10.03.01 一括処理●バッチ処理 あらかじめ蓄えられたデータの処理又はジョブの実施であって,その進行中は,利用者がもはや,その処理に影響を及ぼすことができないような手段によるもの。 batch processing
10.03.02 遠隔一括処理●遠隔バッチ処理 入出力装置がデータリンクを介して計算機にアクセスする一括処理。 remote batch processing
10.03.03 会話形●対話形 計算機システムの操作形態の一つであって,利用者とシステムとの間で交互に取り交される投入及び応答が,二者間の対話と同様の手段でなされるようなもの。 conversational mode●interactive mode
10.03.04 実時間●リアルタイム 計算機外部の別の処理と関係をもちながら,かつ外部の処理によって定められる時間要件に従って,計算機の行うデータの処理に関する用語。(注)用語“実時間”は,会話形で動作するシステム,及びその進行中に人間の介入によって影響を及ぼすことができる処理を記述するのにも用いられる。 real time
10.03.05 直結●オンライン 計算機の直接制御下での機能単位の操作に関する用語。 online●on-line
10.03.06 非直結●オフライン 計算機の非直接制御下での機能単位の操作に関する用語。 offline●off-line
10.03.07 単一命令操作●逐一命令操作 一つの計算機命令又はその一部分が,外部信号に呼応して実行される計算機の操作形態。 single step operation●step-by-step operation
10.04.01 スプーリング 周辺装置と計算機の処理装置との間でデータを転送するとき,処理の遅れを短縮するために補助記憶装置を緩衝記憶として用いること。(注)この用語は,語句“Simultaneous Peripheral Operation Online”に由来している。 spooling
10.04.02 遠隔一括入力●遠隔バッチ入力 データリンクを介して計算機にアクセスする入力装置を通して行われるデータの一括依頼。 remote batch entry
10.04.03 遠隔ジョブ入力●RJE(省略形) データリンクを介して計算機にアクセスする入力装置を通したジョブの依頼。 remote job entry●RJE (abbreviation)
10.04.04 タイムスライシング 二つ以上の処理が同一処理装置上の細分化された時間に割り当てられる操作形態。 time slicing
10.04.05 時分割●タイムシェアリング 一つの処理装置において,二つ以上の処理を,時間で交互配置させるようにする計算機システムの操作技法。 time sharing
10.04.06 多重プログラミング●マルチプログラミング 一つの処理装置によって,二つ以上の計算機プログラムを交互配置して実行する機能を備えた操作形態。 multiprogramming
10.04.07 多重タスキング●マルテタスキング 二つ以上のタスクを,並行して遂行する又は交互配置で実行する機能を備えた操作形態。 multitasking●multi-tasking
10.04.08 多重プロセッシング●マルチプロセッシング 多重プロセッサの二つ以上の処理装置による並列処理の機能を備えた操作形態。 multiprocessing
10.04.09 エミュレートする 模倣システムが,被模倣システムと同様に同一データを受け入れ,同一の計算機プログラムを実行し,同一の結果を得るように,あるシステムが他のシステムを,主としてハードウェアによって模倣すること。 to emulate
10.04.10 エミュレーション 模倣システムが,被模倣システムと同様に同一データを受け入れ,同一の計算機プログラムを実行し,同一の結果を得るような,あるシステムによる他のシステムの,主としてハードウェアによる模倣。 emulation
10.04.11 エミュレータ 模倣システムが,被模倣システムと同様に同一データを受け入れ,同一の計算機プログラムを実行し,同一の結果を得るように,あるシステムが他のシステムを模倣する装置又は計算機プログラム。 emulator
10.05.01 カタログ ファイル及びライブラリの場所に関連した登録簿であって,それらの所在を示すもの。(注)カタログは,ファイルが記憶される装置の形式,合言葉,ブロック化因数のようなその他の情報を含みうる。 catalog●catalogue
10.05.02 カタログする ファイル又はライブラリに関する情報をカタログに入れること。 to catalog●to catalogue
10.05.03 単純緩衝法 計算機プログラムの実行の間中,緩衝記憶装置を割り当てておく技法の一つ。 simple buffering
10.05.04 動的緩衝法 緩衝記憶装置の動的割振り。 dynamic buffering
10.05.06 動的再配置 計算機プログラムが主記憶装置の異なった領域で実行されうるように,実行中にこのプログラムに対して新たな絶対アドレスを割り当てる処理。 dynamic relocation
10.05.07 ロールアウトする 主記憶装置を別の用途のために解放することを目的として,種々の大きさのファイル又は計算機プログラムのようなデータの集合を,主記憶装置から補助記憶装置に転送すること。 to roll out
10.05.08 ロールインする 前にロールアウトされたデータの集合を主記憶装置に再格納すること。 to roll in
10.05.09 スワッピング 主記憶装置の領域の内容と補助記憶装置の領域の内容とを交換する処理。 swapping
10.05.10 保護●ロックアウト 計算機システムの全体又は一部分のアクセス又は使用を制限するための仕組み。 protection●lock out●lock-out
10.05.11 仮想記憶●仮想記憶装置 計算機システムの利用者にとってアドレス可能な主記憶装置とみなしうる記憶空間であって,仮想アドレスが実アドレスへ写像されるもの。(注)仮想記憶の大きさは,計算機システムのアドレス指定方式及び使用可能な補助記憶装置の量によって制限され,主記憶場所の実際の量によっては制限されない。 virtual storage
10.05.12 仮想アドレス 仮想記憶における記憶場所のアドレス。 virtual address
10.05.13 実記憶●実記憶装置 仮想記憶システムにおける主記憶装置。(注)物理的には,実記憶装置と主記憶装置とは同一である。しかし,概念的には,実記憶装置は仮想記憶システムの利用者にとって利用可能なアドレス領域の部分だけを表す。かつては,利用者にとって利用可能なアドレスの全領域は,主記憶装置によって与えられていた。 real storage
10.05.14 実アドレス 実記憶装置における記憶場所のアドレス。 real address
10.05.15 アドレス変換機構 仮想アドレスを実アドレスに変換する機能単位。 address translator
10.05.16 ページ(仮想記憶システムにおける) 仮想アドレスをもち,実記憶装置と補助記憶装置との間において1単位として転送される固定長のブロック。 page (in a virtual storage system)
10.05.17 ページ枠 実記憶装置において,1ページ分の大きさをもつ記憶場所。 page frame
10.05.18 ページング 実記憶装置と補助記憶装置との間におけるページの転送。 paging
10.05.19 ページング技法 実記憶装置がページ枠に分割されるような実記憶装置の割振り技法。 paging technique
10.05.20 要求時ページング 必要時の,補助記憶装置から主記憶装置へのページの転送。 demand paging
10.05.21 先行ページング 必要となる以前の,補助記憶装置から主記憶装置へのページの転送。 anticipatory paging

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