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JIS X 0012:1990
情報処理用語(データ媒体,記憶装置及び関連装置) 1990改正●1987制定

番号 用語 定義 対応英語
12.01.01 未使用媒体 基準となる印及び利用者のデータが記憶されたことがないデータ媒体。 blank medium●virgin medium
12.01.02 空き媒体 基準となる印だけを含み,利用者のデータを含まないデータ媒体。 empty medium
12.01.03 消去する データをデータ媒体から除去すること。(備)消去は通常,データを重ね書きするかポインタを削除することで行われる。 to erase
12.01.37 フレキシブルディスク●フロッピー●フロッピーディスク 保護容器に入っている可とう<撓>性の磁気ディスク。 flexible disk●floppy●floppy disk
12.01.04 初期化 機械を始動可能状態にするための操作,又はデータ媒体を使用する前,若しくは処理を行う前に必要とされる操作。 initialization
12.01.05 フォーマッティング 特定の計算機システムが媒体にデータを記憶し,後でその媒体からデータを取り出せるようにするために,データ媒体を初期化すること。 formatting
12.01.06 装着する データ媒体を操作位置に取り付けること。 to mount
12.01.17 バックアップ 喪失若しくは破壊されたデータの復元を助けるために,又はシステムの作動を維持するために使用する手続き,技法又はハードウェアに関する用語。 backup
12.01.07 巻き戻す 磁気テープ又はせん孔テープを開始位置に戻すこと。 to rewind
12.01.08 トラック データ媒体が一つの読取り書込みヘッドを通過する際に,その読取り書込みヘッドに対応するデータ媒体上の経路。 track
12.01.09 代替トラック●交代トラック 正常なトラックが傷ついたり,使用不能になったりした際に,その代わりとして使用する予備のトラック。 alternate track●alternative track
12.01.10 索引トラック 同じデータ媒体の他のトラック上のデータの位置決めに必要な情報を保持するトラック。 index track
12.01.11 刻時トラック●クロックトラック タイミングの基準を与えるための信号パターンが記録されているトラック。 clock track
12.01.12 誤り率 伝送又は転送されたデータの総量に対する,検知された誤りの総数の割合。 error rate
12.01.13 誤り訂正 データの伝送,転送又は記憶の間に生じた誤りのあるデータを訂正するのに使用する方法。 error correction
12.01.14 誤り検出 データが誤りなく伝送又は転送されたかどうかを判定する方法。 error detection
12.01.15 ソフトエラー●一時誤り 散発的に起こる誤りであって,次にデータを読み取るときに生じるとは限らないもの。 soft error●transient error
12.01.16 ハードエラー データ読取りのたびに常に起こる永続的な誤り。 hard error
12.01.18 プリントスルー 磁気媒体のある部分と他の部分とが接近して置かれたときに生じることのある記録されている信号の望ましくない転写。 print through
12.01.19 基準縁 データ媒体の縁であって,データ媒体に関する仕様又は測定のよりどころとするために使用するもの。 reference edge●guide edge
12.01.20 列●テープの列●テープフレーム 磁気テープの基準縁に垂直な直線上にあって,並列に記録又は検出される2進文字の集まり。 tape row●tape frame
12.01.21 列ピッチ 記録済みのデータ媒体上でトラック方向に測った隣接するテープの列間の距離。 row pitch
12.01.22 トラックピッチ トラックに対して垂直方向に測った隣接するトラック間の距離。(備)トラックピッチは,トラック密度に反比例する。 track pitch
12.01.23 トラック密度 トラックに対して垂直方向に数えた単位長当たりのトラックの数。(備)トラック密度は,トラックピッチに反比例する。 track density
12.01.24 物理記録密度 一つのトラック上に記録された,単位長又は単位角度当たりの磁化変化の数。(備)通常使用する単位は,長さに対してはミリメートル当たりの磁化反転数(ftpmm)であり,角度に対してはラジアン当たりの磁化反転数(ftprad)である。 physical recording density
12.01.25 ビット密度●記録密度 単位長又は単位面積当たりに記録された2進数字の数。 bit density●recording density
12.01.26 データ密度 単位長,単位面積又は単位体積当たりに記憶されたデータの文字数。(備)1.データ密度は,通常ミリメートル当たりの文字数(cpmm)又はラジアン当たりの文字数(cprad)で表す。2.ディスクでは,データ密度よりも片面又は両面に記録される総記憶容量が通常用いられる。*(注)この意味では使用しないほうがよい。 data density●packing density (deprecated in this sense)
12.01.27 データ媒体保護機構 データ媒体を読取り専用にする可動機構又は取外しのできる機構。 data medium protection device
12.01.28 後退させる(データ媒体を)(1) データ媒体を指定された距離だけ逆方向に移動させる。(例)せん孔テープを1列分逆方向に移動させること。磁気テープを1ブロック分逆方向に移動させる。 to backspace (a data medium)
12.01.29 後退させる(位置を)(2) 印字行又は表示行に沿って,印字位置又は表示位置を1位置分逆方向に移動させること。 to backspace (a position)
12.01.30 磁心●コア●磁気コア 記憶のために使う,通常ドーナツ状の形をした小さな磁性体。 core●magnetic core
12.01.31 磁気テープ データを記憶できる磁性層をもつテープ。 magnetic tape
12.01.32 カセット●磁気テープカセット 回転軸によって駆動される磁気テープが容器に内蔵されているデータ媒体であって,磁気テープを取り外すことなく処理できるようにしたもの。 cassette●magnetic tape cassette
12.01.33 カートリッジ●磁気テープカートリッジ 摩擦によって駆動される磁気テープが容器に内蔵されているデータ媒体であって,磁気テープを取り外すことなく処理できるようにしたもの。(備)駆動機構を問題にしない場合,用語“磁気テープカセット”と“磁気テープカートリッジ”は,同じ意味で用いることがある。 cartridge●magnetic tape cartridge
12.01.34 磁気カード データを記憶できる磁性層をもつカード。 magnetic card
12.01.35 磁気ドラム データを記憶できる磁性層をもつ円筒形の回転体。 magnetic drum
12.01.36 磁気ディスク 片面又は両面にデータを記憶できる磁性層をもつ平らな回転盤。 magnetic disk
12.01.38 ハードディスク 剛体の磁気ディスク。(備)この語は通常,取外しのできない剛体の磁気ディスクを指す。 hard disk
12.01.39 ディスケット ジャケットに包まれた小さな磁気ディスク。(備)用語“ディスケット”と“フレキシブルディスク”は,同じ意味で用いることがある。 diskette
12.01.40 ディスクパック 複数枚の磁気ディスクの集合体であって,作動時には分離される容器とともに,ディスク装置から一括して取り外すことができるもの。 disk pack
12.01.41 ディスクカートリッジ 1枚又は複数枚の磁気ディスクの集合体であって,分離できない容器とともに,ディスク装置から一括して取り外すことができるもの。 disk cartridge
12.01.42 データモジュール 取外し可能な密封されたディスクパックであって,読取り書込み機構と磁気ディスクを一体化したもの。 data module
12.01.43 光ディスク●ディジタル光ディスク 光学的技術によって読み取ることが可能なディジタルデータを保持する円盤。 optical disk●digital optical disk
12.01.44 ドロップアウト 磁気記憶装置にデータを記憶する場合又は磁気記憶装置からデータを取り出す場合に,2進文字を読取り損なうことによって引き起こされる誤り。(備)ドロップアウトは通常,磁性層の損傷又は微片がその上に存在することによって発生する。 drop-out
12.01.45 紛失パルス 読取り又は記録ができないレベルのパルス。 missing-pulse
12.01.46 ドロップイン 磁気記憶装置にデータを記憶する場合,又は磁気記憶装置からデータを取り出す場合に,事前に記録していない2進文字を読み取ることによって引き起こされる誤り。(備)ドロップインは通常,磁性層の損傷又は微片がその上に存在することによって発生する。 drop-in
12.01.47 余剰パルス 記録中又は読取り中に生じる,あってはならない余分なパルス。 extra-pulse
12.01.48 磁気インク データの記録に適した磁性体の微粒を含む特殊インク。 magnetic ink
12.01.49 磁気インク文字 自動識別できるように磁気インクで書かれた文字。 magnetic ink character
12.01.50 光学文字 光学的な手段による自動識別を容易にするために,特殊な規則に従って印字又は手書きされた図形文字。 optical character
12.01.51 文字認識 自動的な手段によって文字を識別すること。 character recognition
12.01.52 磁気インク文字認識●MICR(省略形) 磁気インク文字の文字認識。(備)用語“MICR”は,磁気インク文字読取り装置の意味で用いることがある。 magnetic ink character recognition●MICR (abbreviation)
12.01.53 光学的文字認識●OCR(省略形) 図形文字を識別するために光学的な手段を用いる文字認識。(備)用語“OCR”は,光学式文字読取り装置の意味で用いることがある。 optical character recognition●OCR (abbreviation)
12.01.54 マーク読取り●光学マーク読取り データ媒体上に記憶されたマークを光学的かつ自動的に検知すること。 mark scanning●optical mark reading
12.01.55 バーコード 異なる太さや間隔をもつ平行な縦線の組合せによって文字を表現するコードであって,横断走査によって光学的に読み取るもの。 bar code
12.01.56 孔パターン データの符号化表現をデータ媒体上に実現した孔の配列。(例)一つの文字を表現するせん孔の配置。 hole pattern
12.01.57 パターン認識 自動的な手段によって,形,輪郭又は構成を識別すること。 pattern recognition
12.01.58 テープ●せん孔テープ 孔パターンをせん孔することができるテープ。(備)1.“せん孔”を“さん孔”ということもある。2.特に材質が紙の場合,“紙テープ”ということもある。 tape●punch tape
12.01.59 せん孔テープ●せん孔済テープ 孔パターンがせん孔されているテープ。(備)12.01.58の備考を参照。 punched tape
12.01.60 テープスプール●ハブ フランジのない円筒であって,周りにテープが巻かれるもの。 tape spool●hub
12.01.61 リール フランジ付きの円筒であって,周りにテープが巻かれるもの。 reel
12.01.62 せん孔カード 孔パターンをせん孔することができるカード。 punch card
12.01.63 せん孔カード●せん孔済カード 孔パターンがせん孔されているカード。 punched card
12.01.64 アパチャカード 標準的な外形をもつ処理可能なカードであって,その中にマイクロフィルム画面を挿入できるもの。 aperture card
12.01.65 カードデック せん孔済カードの集まり。 card deck
12.02.01 記憶●記憶動作 データを記憶装置に格納する動作。 storing
12.02.02 記憶する(1) データを記憶装置に格納すること。 to store
12.02.03 記憶する(2) 記憶装置においてデータを保持すること。 to store
12.02.04 記憶●記憶保持 記憶装置におけるデータの保持。 storage
12.02.05 場所●記憶場所 アドレスによって一意に指定される記憶装置の中の位置。 location●storage location
12.02.06 記憶セル●記憶素子 記憶装置中でアドレスによって指定できる最小単位。 storage cell●storage element
12.02.07 2値セル 一つの2進文字を保持できる記憶セル。 binary cell
12.02.28 記憶保護 書込み,読取り又はその両方を阻止することによって,記憶装置又は記憶場所へのアクセスを制限すること。 storage protection
12.02.08 語構成記憶装置 機械の語を単位として又は同一時間内で機械の語の部分を単位として,データを記憶したり取り出したりできる記憶装置。 word organized storage
12.02.09 静的記憶装置 記憶内容を保持するために周期的な記憶回復動作を必要としない記憶装置。 static storage
12.02.10 動的記憶装置 記憶内容を保持するために周期的な記憶回復動作を必要とする記憶装置。 dynamic storage
12.02.11 消去可能記憶装置 異なるデータを同じ記憶場所に何回でも書込みできる記憶装置。 erasable storage
12.02.12 永久記憶装置 記憶内容の消去が不可能な記憶装置。 permanent storage
12.02.13 読取り専用記憶装置●固定記憶装置●ROM(省略形) 通常の状態でデータの読取りだけができる記憶装置。 read-only memory●ROM (abbreviation)
12.02.14 読取り書込み記憶装置●RAM データの書込みと読取りができる記憶装置。(備)RAMは,語源的には“Random Access Memory”の省略形であるが,直接アクセス記憶装置の意味でこの用語を用いてはいけない。 RAM
12.02.15 プログラム可能読取り専用記憶装置●PROM(省略形) 一度書き込まれた後,読取り専用記憶装置となる記憶装置。 programmable read-only memory●PROM (abbreviation)
12.02.16 消去及びプログラム可能読取り専用記憶装置●EPROM(省略形) 特殊な処理によって記憶内容を消去して,再使用のできるプログラム可能読取り専用記憶装置。 erasable programmable read-only memory●EPROM (abbreviation)
12.02.17 揮発性記憶装置 電源が切れたときに記憶内容が失われる記憶装置。 volatile storage
12.02.18 不揮発性記憶装置 電源が切れたときにも記憶内容が失われない記憶装置。 nonvolatile storage
12.02.19 非破壊読取り 元の場所にあるデータを消去しない読取り。 nondestructive read
12.02.20 破壊読取り 元の場所にあるデータを消去する読取り。 destructive read
12.02.21 記憶容量 記憶装置に格納することのできるデータの量であって,データの単位で表されるもの。(備)1.データの単位としては,2進文字,バイト,語などがある。2.レジスタに関しては,レジスタ長という用語を同じ意味で使う。 storage capacity
12.02.22 直接アクセス データの物理的位置を表すアドレスによって,データの相対位置に無関係な順序で記憶装置からデータを読み取る能力又は記憶装置にデータを格納する能力。(注)国際規格及びこの規格では,他の意味で使われているため,この英語を使用しないほうがよい。 direct access●random access
12.02.23 順次アクセス 順序付けられているのと同じ順番でデータを記憶装置又はデータ媒体に格納する能力又は格納されたとおりの順番でデータを読み取る能力。 sequential access●serial access
12.02.24 後入れ先出し記憶装置●スタック●スタック記憶装置 次に取り出されるデータ要素が最も新しく記憶されたものであるような方法でデータを順序付ける記憶装置。(備)この方法は,“後入れ先出し”(LIFO)と呼ばれる。 pushdown storage●stack●stack storage
12.02.25 先入れ先出し記憶装置 次に取り出されるデータ要素が最も古く記憶されたものであるような方法でデータを順序付ける記憶装置。(備)この方法は,“先入れ先出し”(FIFO)と呼ばれる。 pushup storage
12.02.26 スタックポインタ 後入れ先出し記憶装置において,最も新しく記憶された項目を保持している記憶場所のアドレス。 stack pointer●stack indicator
12.02.27 連想記憶装置●内容アドレス記憶装置 記憶場所が,その名前又は位置ではなくて,記憶内容又はその一部によって識別される記憶装置。 associative storage●content addressable storage
12.02.29 転送時間 データ転送が開始された時点から完了する時点までの時間。(備)1.付図1参照。2.利用者が転送するデータ量に依存しない量として規定する目的では,受渡し完了をデータの先頭に着目して規定することが多い。 transfer time