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JIS X 0031:1999
情報処理用語−人工知能−機械学習 1999制定

番号 用語 定義 対応英語
31.01.01 学習 生物又は自動システムが,自身の能力又は性能を向上させるのに使用することができる知識又は技能を獲得する過程。 learning
31.01.02(28.01.21) 機械学習●自動学習 機能単位が新しい知識・技能を獲得すること,又は既存の知識・技能を再構成することによって,自身の性能を向上させる過程。 machine learning●automatic learning
31.01.03 自己学習 外部から明示的に知識を取り入れることなく,内部の知識ベース又は新しい入力データから学習すること。 self-learning
31.01.04(28.01.09) 知識獲得 知識を探し出し,収集し,洗練して,知識ベースシステムが更に処理できる形式に変換する過程。
備考 知識獲得は,通常,知識技術者の介入を意味するが,機械学習の重要な要素でもある。
knowledge acquisition
31.01.05 学習戦略 実際の適用に先立って考えられた学習技法の使用計画。 learning strategy
31.01.06 概念 範ちゅう(疇)に所属するか否かを決定するための抽象的な実体。
備考 概念は,オブジェクトを分類するために使用される。
concept
31.01.07 概念学習 新しい知識を引き出して将来の使用のために記憶する目的で,既存の知識を新しい情報に適用することによって,概念の表現を作り出すこと。
備考 概念学習は,対象とする概念のバージョン空間及び実例空間の相互作用を必要とする場合がある。この相互作用は,さらに,初期主張の再構成又は変形,実験及び一時的な例の選択という過程を必要とすることがある。
concept learning
31.01.08 概念的クラスタリング オブジェクト,事象又は事実を,単純で記述的な概念によって特徴づけられるクラスに分類すること。
備考 教師なし学習(31.03.09)及びチャンキング(31.02.03)も参照。
conceptual clustering
31.01.09 分類形成 離接的なクラスにクラスタリングされた概念を用いることによって,概念を分類する方法の体系を構築すること。
備考1.分類形成の目標は,最も単純な特徴のセットを選び,特性間の重複を最小限にすることにある。
備考2.概念的クラスタリング(31.01.08)及び概念形成(31.02.07)も参照。
taxonomy formation
31.01.10 機械による発見 学習する能力をもつ機械が,分類形成を行い,観察されたデータに存在する規則性を表す経験則を発見すること。
備考 概念的クラスタリング(31.01.08)及び説明に基づく学習(31.03.18)も参照。
machine discovery
31.01.11 認知科学●認知主義 知性のもつ表現及び計算の能力を発見することと,それら能力の脳における構造的及び機能的な表現を発見することとを目的とする,学際的な知識の分野。
備考 認知科学は,認識の記号処理的な性質を扱う学問であり,心理学,情報科学,言語学,人類学,哲学,教育学,数学,工学,生理学,神経科学などの広範な学問分野にまたがるものである。
cognitive science●cognitivism
31.02.01 逆学習●学習消去 学習の内容を除去するために,システムに記憶された知識を調整すること。 unlearning
31.02.02 概念記述 ある概念のすべての既知の事例のクラスを記述するデータ構造。 concept description
31.02.03 チャンキング 記憶,検索又は処理を容易にするために,知識を高位の概念的レベルで単一の実体にグループ化すること。 chunking
31.02.04 特徴記述 与えられた概念のすべての事例に共通する特性を表す概念記述。 characteristic description
31.02.05 弁別特徴記述●識別特徴記述 与えられた概念を他の概念から区別する特性を表す概念記述。 discriminant description
31.02.06 構造的特徴記述 構成部分についての記述及びそれらの間の相互関係に基づいた,オブジェクト及び概念の表現。 structural description
31.02.07 概念形成 オブジェクト,事象又は事実の与えられた集合を特徴づける概念を生成すること。
備考 一度概念が形成され,名前が与えられると,それは続いて起こる他の概念で使われることがある。
concept formation
31.02.08 部分的学習可能概念 利用可能なデータ,知識又は仮定からは,その厳密な記述を推論できないような概念。 partially learned concept
31.02.09 バージョン空間 利用可能なデータ,知識又は仮定と整合のとれたすべての概念記述の半順序集合。 version space
31.02.10 事例空間 学習されるべき概念のすべての可能な事例及び反例の集合。 example space●instance space
31.02.11 記述空間 学習者にとって利用可能な記述言語で記述できる,事例空間からのすべての事例の集合。 description space
31.02.12 概念の一般化 より多くの事例を含むように概念記述の対象範囲を拡張すること。 concept generalization
31.02.13 整合的な一般化 概念クラスに属する幾つか又はすべての正例を含み,すべての負例を含まない概念の一般化。 consistent generalization
31.02.14 制約に基づく一般化 与えられた事実又は事象を説明するために使用する,概念の制約を満足する,概念の一般化。 constraint-based generalization
31.02.15 類似性に基づく一般化 与えられた概念のすべての事例を,事例間の類似点と相違点とに着目して記述する概念の一般化。 similarity-based generalization
31.02.16 完全な一般化 与えられた概念クラスのすべての正例を記述する概念の一般化。この記述には負例を含む場合もある。 complete generalization
31.02.17 概念の特殊化 記述する事例の集合を縮小することによって概念記述の対象範囲を狭めること。 concept specialization
31.02.18 混同行列 手元にあった事例をあるルール集合で分類する際に,正しい分類及び誤った分類の数を記録するために使用する行列。 confusion matrix
31.02.19 概念の妥当性確認 学習された概念を,手元にあった事例にその概念の記述を適用し,その結果から誤り行列を作成することによって,試験する帰納的方法。 concept validation
31.03.01 因果解析 学習戦略で用いられる解析法で,観察された事象,例えば,ある目標を達成しなかった,という事象について,ありそうな原因を追跡することによって行うもの。 causal analysis
31.03.02 暗記学習 与えられた情報について推論を行うことなしに,新しい知識として直接蓄える学習戦略。
備考 暗記学習には,与えられた概念記述をそのまま記憶する学習と,プログラムされることによる学習とを含む。
rote learning
31.03.03 適応学習 外部知識源からの助言によって内部の知識を調整したり,既存の知識によって新たに獲得した情報を変形したりする学習戦略。 adaptive learning
31.03.04 発見的学習 実験,評価又は試行錯誤の結果から学習するような学習戦略。 heuristic learning
31.03.05 教示による学習●指示による学習 与えられた情報から関係する要素を選択又は変形することなしに,外部知識源から知識を獲得するような暗記学習。 learning by being told●learning from instruction
31.03.06 助言の受け入れ 外部知識源からの一般的な助言によって,手続き的挙動を修正する教示による学習。 advice taking
31.03.07 逐次学習●漸進的学習 その後の段階で与えられる新しい知識を取り入れるために,ある段階で学習した知識を変形する複数段階の適応学習。 incremental learning
31.03.08 教師あり学習 獲得した知識の正しさが外部知識源からのフィードバックを通して試験される学習戦略。 supervised learning
31.03.09 教師なし学習 獲得された知識が正しいかどうかを外部知識源からのフィードバックによって試験しない学習戦略。 unsupervised learning●learning without a teacher
31.03.10 発見による学習●観察による学習 観察されたデータのもつ規則性を記述することによって,ある分野における新しい規則若しくは法則を導き出す又は分類形成を行う教師なし学習。 learning by discovery●learning from observation
31.03.11 帰納学習 供給された知識,事例又は観察から帰納が導かれる学習戦略。 inductive learning●learning by induction
31.03.12 例からの学習●例に基づく学習 例からの一般的な概念記述を推論することによる概念の帰納学習。例の代わりにその概念の反例を使用する場合もある。
備考 雑音の多い又は不完全に定義された例から学習することは,例からの学習の高度な形式である。
learning from examples●example-based learning●instance-based learning
31.03.13 正例●正の例 学習されるべき概念に適合し,その概念の一般化を生み出し得る例。 positive example●positive instance
31.03.14 負例●負の例 概念記述の対象範囲を制限するような,学習されるべき概念の反例。 negative example●negative instance
31.03.15 ニアミス 学習されるべき概念の負例のうち,その概念の正例に極めて類似しているもの。これは,正例の重要な属性を特定するのに役立つ。 near-miss
31.03.16 事例に基づく学習 現在の問題をそれ以前に解かれた問題集合と比較し,それらの解を現問題の解決に利用する学習戟略。
備考 解の正しさが検証された後に,事例に基づく学習を通じて得られた解は,その問題記述とともに事例ベースに追加される。
case-based learning
31.03.17 演えき(繹)学習 宣言の真理値を保存しつつ変形するという方法で,新しい知識が既存の知識から演えきされるような学習戦略。
備考1.演えき学習は一般に既存の知識の特殊化を導く。
備考2.演えき学習には知識の再構成,知識のコンパイルなどの,真理値を保存する変形が含まれる。
deductive learning●learning by deduction
31.03.18 説明に基づく学習●分析的学習 演えき学習の発展形であり,例題を使って,抽象的知識又は構造的知識が操作的知識又は領域知識から導かれる。
参考 操作化(31.03.19)の例も参照。
explanation-based learning●analytic learning
31.03.19 操作化 宣言的なものから手続的,すなわち,操作的なものへの変換による知識コンパイル。
例 “ぬれないようにする”という助言を,与えられた状況でぬれることを避ける方法を説明することによって,具体的な指示へと変換する。
備考 説明に基づく学習(31.03.18)も参照。
operationalization
31.03.20 類推による学習●連想学習 帰納学習と演えき学習とを結合した学習戦略。帰納は比較又は関連させるべき概念の共通の特徴を決定し,演えきは共通の特徴から学習されるべき概念の期待される特性を導く。
備考 類推による学習は,二つの問題の類似性を認識する能力と,他の問題空間における問題を解くために一つの問題空間で作られる規則を利用する能力とを必要とする。
learning by analogy●associative learning
31.03.21 功罪の割当 目標達成の成功又は失敗の原因となった決定又は作用素を同定すること。 credit/blame assignment
31.03.22 強化学習 功罪の割当によって改善された学習。 reinforcement learning
31.03.23 解経路からの学習 ある問題の完全な解経路が発見された後に,その解経路に沿ったすべての遷移を正例とし,解経路から外れるすべての遷移を負例とする強化学習。 learning from solution paths
31.03.24 徒弟戦略 余計な探索を避け,素早いフィードバックを得るために,専門家が望ましい遷移とそうでないものとを区別する行為を観察し,利用する功罪の割当。
備考 徒弟戟略は,しばしば,エキスパートシステムの半自動的な構築に適用される。
learning-apprentice strategy
31.03.25 実行しながらの学習 解パスが発見されるのを待つことなく,解の探索中に功罪の割当をする強化学習。
備考 実行しながらの学習には,目標に向かうために,行き止まり及び失敗と同様に,堂々巡り及び不必要に長いパスを見つけるための技巧が含まれる。
learning while doing
31.03.26 遺伝的学習 強さに従って分類器の対の集合を選び,それらに遺伝的操作を適用して子孫を作るような,反復的な分類アルゴリズムに基づく機械学習。現在の規則が不適切であると判明したときに,新しい,より適切な規則を生成するために,最弱の分類器が最強の子孫で置き換えられる。
備考 “遺伝”という用語は,遺伝学から遺伝形質,種の多様性及び適者生存の概念とともに借用したものである。
genetic learning

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