← 一覧に戻る ↓ このページの最下段に移る

JIS X 0134:1999
システム及びソフトウェアに課せられたリスク抑制の完全性水準 1999制定

番号 用語 定義 対応英語
3.1 構成部品 分析の特定水準で考慮されるシステム中のアセンブリモジュール又はソフトウェアモジュールのような離散構造をもつ実体。 component
3.2 信頼等級●信頼の度合い この規格では,この“信頼等級”という用語は,ソフトウェアがその要求事項に適合していることを意味するときにだけ使用される。 degree of confidence
3.3 設計責任機関 システムの設計記述を作成する責任をもつ個人又は組織。 design authority
3.4 故障 前もって指定された限界内で,要求された機能を遂行する品目の能力の停止,又は遂行の能力がなくなること。 failure
3.5 障害隔離 自サブシステム中で発生した障害が原因で,その結果として,別のサブシステム中で障害が発生することがないようにするサブシステムの能力。 fault isolation
3.6 機能 当該システムの意図された振舞いの側面。 function
3.7 引き金事象 危険な兆候に至らしめる可能性のある事象。 initiating event
3.8 リスク抑制の完全性保証機関 リスク抑制の完全性要求事項に対する準拠性の総合評価をする責任をもつ独立の個人又は組織。
参考 文脈から明らかな場合,完全性保証機関と略す。
integrity assurance authority
3.9 リスク抑制の完全性水準 システムリスクを受入れ可能な範囲内に維持するために必要な品目がもつ性質の値の範囲(値域)を表す表示記号。緩和機能を実行する品目の場合には,その性質は,当該品目が緩和機能を実行する際に満たさなければならない信頼度とする。自己の故障が危険な兆候をもたらす可能性のある品目の場合には,その性質は,その故障の発生頻度の上限値とする。
参考 文脈上明らかな場合には,完全性水準と略す。
integrity level
3.10 品目 個別に考慮可能な部品,構成部品,サブシステム,装置,システムなどのような実体。品目は,ハードウェア,ソフトウェア又はその両者からなっていてもよい。 item
3.11 緩和機能 正しく提供されれば,引き金事象が指定された危険な兆候になるのを防止しうる機能。 mitigating function
3.12 リスク 想定された危険な兆候の生起確率と,その生起によって起こりうる不利な結末との関数。 risk
3.13 リスク次元 システムに対してリスク総合評価をする際の着眼点(例えば,安全性,経済性,セキュリティ)。
参考 リスク総合評価=リスク分析+リスク評価
リスク管理=リスク総合評価+リスク軽減と制御
risk dimension
3.14 安全性 システムが,規定された条件のもとで,人の生命,健康,財産又はその環境を危険にさらす状態に移行しない期待度合い。 safety
3.15 セキュリティ●安全保護 偶然又は悪意によるアクセス,使用,変更,破壊又は漏えい(洩)から,システム品目を保護すること。
参考 情報資源に対する安全保護という意味でセキュリティを用いる。
security
3.16 ソフトウェアに課せられたリスク抑制の完全性水準 ソフトウェア品目がもつリスク抑制の完全性水準。
参考 文脈から明らかな場合には,ソフトウェア完全性水準と略す。
software integrity level
3.17 サブシステム より大きいシステムの一部を構成するシステム。 subsystem
3.18 システム 一つ以上のプロセス,ハードウェア,ソフトウェア,設備及び人を統合化して,規定のニーズ又は目的を満たす能力を提供するまとまり。 system
3.19 系統的故障 ある特定の原因に決定論的に関係する故障。系統的故障は,その原因を設計記述の修正,又は,製造プロセス,運用手順,文書,その他の関連する因子の修正によってだけ排除することができる。 systematic failure
3.20 システムに課せられたリスク抑制の完全性水準 システムがもつリスク抑制の完全性水準。
参考 文脈から明らかな場合には,システム完全性水準と略す。
system integrity level
3.21 危険な兆候 一つ以上の想定されたリスク次元面での不利な結果をもたらす可能性のあるシステム又はシステム環境の状態。
参考 この規格では,安全関連分野以外のリスク,例えば商業活動における損失などにも対応できるように用語を定義している。そのため,安全関連分野で用いられている危険(hazard) を一般化して危険な兆候(threat) と呼ぶ。詳しくは6.1リスク分析のIEC 60300-3-9との対応を参照のこと。
threat

← 一覧に戻る ↑ このページのトップに戻る