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JIS X 0141:2009
システム及びソフトウェア技術−測定プロセス 2009制定

番号 用語 定義 対応英語
2.1 取得者 供給者から,製品又はサービスを取得又は調達する利害関係者 (JIS X 0170:2004)。
注記 取得者に関して通常使用される他の用語には,買い手,顧客,所有者及び購入者がある。
acquirer
2.2 属性 人手又は自動的な手段によって,定量的又は定性的に識別できる実体の特性又は特徴。 attribute
2.3 基本測定量 単一の属性とそれを定量化するための方法とで定義した測定量。
注記 基本測定量は,他の測定量と機能的に独立した測定量をいう。
base measure
2.4 データ 基本測定量,導出測定量及び/又は指標に割り当てられた値の集合。 data
2.5 データ提供者 データの発信源となる個人又は組織。 data provider
2.6 データ蓄積 検索を可能にするために系統立てられ,堅固に保持されるデータ及び情報の集合。 data store
2.7 判断基準 アクション若しくは追加調査の必要性を決めるため又は与えられた結果の信頼度のレベルを記述するために使う,しきい(閾)値,目標又はパターン。 decision criteria
2.8 導出測定量 複数の基本測定量の値の関数として定義した測定量。 derived measure
2.9 実体 その属性を測定することによって特徴付けが行われる対象。
注記 実体としては,プロセス,製品,プロジェクト又は資源がある。
entity
2.10 指標 定義された情報ニーズに関するモデルから導出した特定の属性の見積り又は評価を示す測定量。 indicator
2.11 指標値 指標に割り当てられた数値又は分類結果。 indicator value
2.12 情報ニーズ 目的,目標,リスク及び問題点を管理するために必要となる見解。 information need
2.13 情報成果物 ある情報ニーズに着目した一つ以上の指標及びそれに関連する解釈。
例 欠陥率の実績を予測と比較して,その違いが問題となるかどうかを評価したもの。
information product
2.14 測定可能な概念 実体の属性と情報ニーズとの間の抽象的な関係。 measurable concept
2.15 測定量 測定の結果として値が割り当てられる変数。
注記 “測定量”という用語は,基本測定量,導出測定量及び指標をまとめて参照するために使う。
measure (noun)
2.16 測定する 測定を行う行為。
注記 JIS X 0133-1:1999における定義による。
measure (verb)
2.17 測定 測定量の値を決定するという目的をもった操作の集合。 measurement
2.18 測定分析者 測定における計画作成,遂行,評価及び改善に対する責任をもった個人又は組織。 measurement analyst
2.19 測定経験データベース 情報成果物及び測定プロセスの評価,並びに測定プロセスを通して学んだ教訓を含んだデータ蓄積。 measurement experience base
2.20 測定の関数 複数の基本測定量を結合するために遂行するアルゴリズム又は計算。 measurement function
2.21 測定データ管理者 測定データを蓄積したものを管理する責任をもった個人又は組織。 measurement librarian
2.22 測定方法 特定の尺度に関して属性を定量化するために使う一連の操作の論理的な順序を一般的に記述したもの。
注記 測定方法の類型は,属性を定量化するために使う操作の性質による。これには,次の二つの類型がある。
主観的−人間の判断を含んだ定量化
客観的−数値的な規則に基づいた定量化
measurement method
2.23 測定手続 与えられた方法に従って,ある特定の測定を遂行するときに使う具体的に記述した操作の集合。 measurement procedure
2.24 測定プロセス プロジェクト全体,企業又は組織における測定の仕組みの中で測定を確立,計画,遂行及び評価するためのプロセス。 measurement process
2.25 測定プロセスの責任者 測定プロセスに責任をもつ個人又は組織。 measurement process owner
2.26 測定スポンサ 測定プロセスの確立を承認及び支援する個人又は組織。 measurement sponsor
2.27 測定利用者 情報成果物を利用する個人又は組織。 measurement user
2.28 モデル 一つ以上の基本測定量及び/又は導出測定量をそれに関連する判断基準と結合するアルゴリズム又は計算。 model
2.29 観測 基本測定量に対する値を得るために測定手続を適用する実現例。 observation
2.30 運用者 システムを運用する実体。 operator
2.31 組織単位 測定の対象となる組織の部分。
注記 JIS X 0145-1:2008の定義を編集している。
organizational unit
2.32 プロセス インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。
注記 JIS Q 9000:2006における定義による。
process
2.33 製品 計算機プログラム,手続並びにその関連する文書及びデータを含めたまとまり。プロセスの結果。
注記1 JIS Q 9000:2006における定義による。
注記2 次に示す四つの一般的な製品分類がある。
−ハードウェア(例えば,エンジン機械部品)
−ソフトウェア(例えば,コンピュータプログラム)
−サービス(例えば,輸送)
−素材製品(例えば,潤滑剤)
ハードウェア及び素材製品は,一般に有形である一方,ソフトウェア又はサービスは一般に無形である。ほとんどの製品は,異なる製品分類に属する要素からなる。製品をハードウェア,素材製品,ソフトウェア又はサービスのいずれで呼ぶかは,その製品の支配的な要素で決まる。
product
2.34 プロジェクト 定められた資源及び要求に従って,製品又はサービスを作り出すために実施される,定義された開始日及び終了日がある取組み。
注記1 JIS Q 9000:2006を基にしている。
注記2 プロジェクトを,調整され,制御されたアクティビティからなる独自のプロセスとして見てもよいし,JIS X 0170:2004に定義されたプロジェクトプロセス及びテクニカルプロセスのアクティビティで構成されるものとしてもよい。
project
2.35 尺度 連続的若しくは離散的な値の順序集合又は分類の集合で,それに属性を対応付けるもの。
注記 尺度の類型は,尺度上の値同士の関係による。一般には次の4種類の尺度を定義する。
−名義尺度 測定値は,分類した結果を示す。
−順序尺度 測定値は,離散的な階級に分けた結果を示す。
−間隔尺度 測定値は,属性の等しい量に対応して等しい距離をもつ。
−比尺度 測定値は,属性の等しい量に対応して等しい距離をもち,ゼロという値は,その属性に対応するものが存在しないことを示す。
これらは,尺度の類型の例でしかない。Roberts[16]は,より多くの尺度の類型を定義している。附属書Aは,尺度のそれぞれの類型の例を含んでいる。
scale
2.36 サービス 製品に付随した活動,作業又は職務の遂行。 service
2.37 利害関係者 システムに権利,もち分,請求権又は利害をもっている個人又は組織。又は関係者のニーズ及び期待に合う特性をシステムがもつことに,権利,もち分,請求権又は利害をもっている個人又は組織。
注記 この規格では,利害関係者とは,次のことを行う個人又は組織のことをいう。
−費用を負担する。
−データを提供する。
−測定結果を利用する。
−測定プロセスに参加する。
stakeholder
2.38 供給者 取得者と合意して,その合意条項に基づいて製品又はサービスを提供する組織又は個人。
注記1 供給者に関して通常使用される他の用語には,請負業者,生産者,販売者又はベンダがある。
注記2 取得者及び供給者は,同じ組織に属していてもよい。
supplier
2.39 システム 一つ以上の明記された目的を達成するために編成された相互に影響する要素を組み合わせたもの。
注記 システムとは,それが提供する製品又はサービスとみなしてもよい。
system
2.40 測定の単位 取決め又は慣習に従って定義し採用した特別の量で,同じ種類の他の量をそれと比較することによって,その量の相対的な大きさを表現するためのもの。 unit of measurement
2.41 利用者 システムを利用する間,システムからの恩恵を受ける個人又はグループ。 user
2.42 基本測定量,導出測定量又は指標に割り当てられた数値又は分類結果。 value

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