← 一覧に戻る ↓ このページの最下段に移る

JIS X 0153:2015
システム及びソフトウェア技術−利用者用文書類の設計者及び作成者のための要求事項 2015制定

番号 用語 定義 対応英語
4.1 アクセシビリティ 様々な能力をもった幅広い層の人々が使うときの,ソフトウェア製品若しくは文書類製品,サービス,環境,又は施設の使用性。
注記1 JIS X 8341-6を基に変更を加えた。
注記2 “アクセシビリティ”は,通常,障害のある利用者を扱うが,概念は,障害に関わる事柄だけには制限されない。
accessibility
4.2 動作 利用者が一つの手順の中で実行するステップの要素。 action
4.3 アクティブ領域 利用者入力に反応する(画面上の文書類の)領域。
注記 グラフィック上のホットスポット及び文字列中のリンクは,アクティブ領域の例である。
active area
4.4 分析 利用者の種類と情報のニーズとを特定することを目指す開発の調査及び収集のフェーズ。 analysis
4.5 アプリケーションソフトウェア コンピュータ自体を制御するソフトウェアとは異なるものとして,利用者が特定の作業を実行したり,又は特定の種類の問題に対処するのを助けるように設計されたソフトウェア。
比較参照 ソフトウェア
注記 アプリケーションソフトウェアをアプリケーションと略記する。
application software
4.6 読者層 同じ又は同様の特性及びニーズ(例えば,その文書類を利用する理由,作業,教育水準,能力,教育訓練,経験)を共有する利用者のカテゴリ。
注記 意図した文書類の内容,構造,及び使用法を定める様々な読者層(例えば,管理担当,データ入力担当,保守担当)があってもよい。
audience
4.7 注意 何らかの動作の実行が,データの喪失又は設備での問題発生のように,望まない又は未定義の結果をもたらすかもしれないことを述べる,文書類中の助言的な情報。
比較参照 警告
caution
4.8 変更管理手順 開発中のソフトウェアの製品又は文書類の製品への変更を識別し,文書として記録し,見直し,かつ,承認するためにとられる動作。
注記 その手順は,変更の妥当性が確認され,他の項目への影響が調べられ,かつ,開発に関係する人々がその変更について通知されることを確実にする。
change control procedure
4.9 構成管理●CM 構成の識別,制御,状態の記録,及び監査を包括する技術的及び組織的なアクティビティ。
注記 ISO 10007:2003,品質マネジメントシステム−構成管理の指針を参照。
configuration management●CM
4.10 状況依存ヘルプ 表示される情報が,ソフトウェアの利用者の視点に依存している画面上の文書類の種類。
比較参照 組込文書類,印刷した文書類
context-sensitive help
4.11 重大情報 ソフトウェアの安全な使用,ソフトウェアによって作成された情報のセキュリティ,又はソフトウェアによって作成されたか若しくは格納されたかした機密の個人情報の保護,を記述している情報。 critical information
4.12 カスタマイズ 特定の読者層のニーズへのソフトウェア又は文書類製品の適応。 customization
4.13 設計 製品としてどんな文書類を提供するのか,また,その文書類はどんな性質なのかを決定することに関する文書類の作成段階の一つ。 design
4.14 作成 設計が済んだ後に文書類を準備するアクティビティ。 development
4.15 文書 文書類の一つの集合の一部であってもよい別々に識別される一つの文書。 document
4.16 文書類 ソフトウェア製品を使用する方法を説明する情報。
注記1 文書類は,分離形文書類若しくは組込文書類又は両方として提供できる。
注記2 この規格では,用語“文書類”は用語“利用者用文書類”及び“ソフトウェア利用者用文書類”と同義である。他の形式の文書類(例えば,“システム文書”)はそのように明確に識別する。
注記3 印刷したマニュアル,画面上の情報,及び単独で動作するオンラインヘルプは文書類の例である。
documentation
4.17 文書集合 配布又は利用の容易さのために別々に識別される分冊又はファイルに区分された文書類の集合。 document set
4.18 組込文書類 ソフトウェアの一部としてアクセスされる文書類。
比較参照 分離形文書類
注記 画面上のポップアップヘルプ及びヘルプ文は組込文書類の例である。
embedded documentation
4.19 入力欄 画面上又はウィンドウ内で利用者がデータを入力する領域。 entry field
4.20 第三者預託 指定された契約上の条件が満たされるまで第三者の保護監督の下に保持されるソースコード及び文書類。 escrow
4.21 機能 利用者がその作業を実行するための手立てを与えるアプリケーションの一部。 function
4.22 アイコン コンピュータシステムの機能を表す,画面に表示されたグラフィック。
注記 JIS X 9303-1:2006の4.7を基に変更を加えた。
icon
4.23 図表 本文の文字列とは別に設定され,かつ,普通は本文中で引用されるグラフィック。
注記1 この規格では,用語“図表”を表,図,展示,スクリーンキャプチャ,流れ図,線図,絵画,アイコン,及びその他のグラフィックの種類の総称用語として用いている。
注記2 “スクリーンキャプチャ”は,画面又はその他の視覚出力装置に表示されたものを画像として保存したもののことをいう。
illustration
4.24 実装 設計,テスト,及び改訂に従って利用者用文書類が作成される開発のフェーズ。 implementation
4.25 教習モード 作業を実行するときにソフトウェアの使用法を教えることを意図する利用モード。 instructional mode
4.26 国際化 国際的な読者層に適するように情報を作成するプロセス。
比較参照 地域化
internationalization
4.27 リンク (画面上の文書類の場合)新しいトピック項又は現在のトピック項の異なる部分を表示するアクティブ領域。 link
4.28 地域化 製品の各国版又は特定の地方版の作成。
比較参照 国際化
注記 地域化は各国版への翻訳プロセスとは別に実行してもよい。
localization
4.29 メニュー (画面上の文書類の場合)利用者がそこから選ぶトピックのリスト。 menu
4.30 ナビゲーション 文書類へのアクセス及び異なるトピック項を見る行為。 navigation
4.31 画面上の文書類 ソフトウェアを利用している間,利用者が画面上で読むことを意図した文書類。
比較参照 印刷した文書類,組込文書類
注記 画面上のポップアップヘルプ及び説明文は画面上の文書類の例である。
on-screen documentation
4.32 画像 対象物の実際の外観を示している図表。
注記 写真及び絵画は画像の例である。
picture
4.33 印刷した文書類 印刷した形式で提供するか,又は自分で印刷する顧客若しくは利用者のために電子的な形式で提供する文書類。 printed documentation
4.34 手順 作業を実行する方法を指定する,順番を付けた一連のステップ。 procedure
4.35 プロセス インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。
(JIS Q 9000:2006)
process
4.36 製品 ソフトウェア及び文書類の完全な集合。 product
4.37 製品権限者 製品の能力及び品質に対して全体的な責任をもっている人又は人々。 product authority
4.38 プロジェクト 新製品の開発又は既存の製品の強化のための一連の活動。 project
4.39 プロジェクトマネージャ プロジェクトの管理及び稼働に対して全体的な責任をもつ人。 project manager
4.40 品質管理 品質に関して組織を指揮し,管理するための調整された活動。
(JIS Q 9000:2006)
quality management
4.41 現実世界のオブジェクト 三次元の形状で存在し,かつ,連想によって,ソフトウェアの機能と同様の特性又は振る舞いを暗示する実体。
注記 プリンタ,ファイルキャビネット,ファイルフォルダ及び1枚の紙は,現実世界のオブジェクトの例である。
real-world object
4.42 参照モード 一般にソフトウェアの機能に慣れているソフトウェア利用者のために,特定の情報への迅速なアクセスを提供することを意図する利用モード。 reference mode
4.43 副ウィンドウ 別のウィンドウ(主ウィンドウ)の情報に依存した情報を含むウィンドウ。
注記 副ウィンドウの情報は,主ウィンドウの情報を補足する。
secondary window
4.44 分離形文書類 ソフトウェアとは無関係に使用されてもよい文書類。
比較参照 組込文書類
注記 印刷したマニュアル及び独立しているハイパーテキストシステムは,分離形文書類の例である。
注記 “ハイパーテキスト”とは,“文章の一部をキーワードとして,文章間に様々な関係付けを行って関連情報を参照できるようにした文章”のことをいう。
separate documentation
4.45 目印 情報の特定の種類がある場所又は現在表示している情報が全体の文書のどこに当てはまるのかを利用者が識別することを助ける文,記号又は小さいグラフィック。
注記 異なる種類の情報は,異なる種類の記号又はグラフィックによって示してもよい。
signpost
4.46 ソフトウェア コンピュータを機能させるために使用するプログラム又はプログラムの集合。
比較参照 アプリケーションソフトウェア
注記 この規格では,用語“ソフトウェア”には画面上の文書類を含まない。
software
4.47 ステップ 利用者が一つ(又は複数)の動作を実行することを指令する(番号付き項目のリストである)手順の中の一つの要素。
注記 ソフトウェアによる応答は,ステップとは考えない。
step
4.48 スタイル 文書類の文法,専門用語,句読点,大文字化,及び単語選択を含む言語特有の編集上の取決めの集合。 style
4.49 技術連絡担当者 ソフトウェア製品に関する技術資料を文書類作成者に提供する,又は文書類の草稿の技術的な正確性を確認することに責任がある人。対象領域専門家とも呼ぶ。 technical contact
4.50 トピック項 文書の小さい部分であって,一つの主題を扱うもの。
注記1 印刷した文書類では,トピック項は節(見出し,小見出し)及びその内容と同等である。画面上の文書類では,トピック項は,主題(典型的には,作業,概念又は参考情報)に関する題名(見出し)及び情報から成る。
注記2 画面上の文書類に対して,システムは,利用者の介在なしでトピック項を提示してもよい。
注記3 現在の文書を印刷する方法の指示は,トピック項の例である。
topic
4.51 学習書 ソフトウェア又は文書類とともに供給され,利用者が見本のデータを利用してソフトウェアの機能を練習する教習モードの文書類。 tutorial
4.52 使用性 ソフトウェア又は文書類の製品が,指定された利用者によって,指定された利用の状況下で,指定された目的を達成するために用いられるときの,有効さ,効率及び利用者の満足度の度合い。
注記 JIS Z 8521:1999の3.1を基に変更を加えた。
usability
4.53 利用モード 文書類の作成者が,文書が使用されると期待する主なやり方。
注記 この規格は,教習モード及び参照モードの二つの利用モードを考えている。
usage mode
4.54 利用者 ソフトウェアで一つ以上の作業を実行する人。特定の読者層の一員。 user
4.55 利用者用文書類 ソフトウェアの使い方を記述,説明,又は指示する情報。
比較参照 文書類
注記 印刷した利用者マニュアル,組込みの画面上の情報,及びヘルプは利用者用文書類の例である。
user documentation
4.56 ユーザインタフェース 利用者とコンピュータシステムとの対話を許すソフトウェア及びハードウェアの集合体。 user interface
4.57 警告 ある動作の実行によって,重大又は危険な結果を導くかもしれないことを提示する文書類における助言的な情報。
比較参照 注意
warning
4.58 ウィンドウ 目に見える境界をもつ領域であって,ソフトウェアオブジェクトを表示するもの又は利用者とコンピュータシステムとの対話の場を提供するもの。 window
4.59 ウィザード 利用者との対話によって作業の各ステップを通して利用者を案内する手続的なヘルプの形式。 wizard

← 一覧に戻る ↑ このページのトップに戻る